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令和4年版 消防白書 (49 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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特集

消防防災分野におけるDXの推進

特集 4



消防防災分野におけるDXの推進

(1)
マ イナンバーカードを活用した救急業

デジタル社会の実現に向けた
政府の動き

務の迅速化・円滑化
ア 背景
近年の ICT 技術等の目覚ましい進歩を背景に、最

政府は、令和4年6月7日に閣議決定した「デジ

新の技術を救急業務に積極的に取り入れることで、

タル社会の実現に向けた重点計画」において、デジ

救急業務を取り巻く諸課題に対応することが求めら

タル社会の目指すビジョンとして、
「デジタルの活

れている。そのような中で、令和3年 10 月からは、

用により、一人ひとりのニーズに合ったサービスを

マイナンバーカードの健康保険証としての利用が開

選ぶことができ、多様な幸せが実現できる社会」を

始され、オンライン資格確認が可能となることで、

掲げており、このような社会を目指すことにより、

マイナンバーカードを用いた本人確認と本人同意の

「誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化」を
進めることに繋がるとしている。
また、地方からデジタルの実装を進め、新たな変

取得により、医療機関や薬局において特定健診等の
情報や薬剤情報等を確認できるようになり、よりよ
い医療を受けられるための環境整備が進んでいる。

革の波を起こし、地方と都市の差を縮めていくこと

また、骨太の方針 2022 では、2022 年度末に、ほぼ

で、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」

全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指

の実現に向け、同日、
「デジタル田園都市国家構想

すとともに、オンライン資格確認について、保険医

基本方針」が閣議決定された。同基本方針において

療機関・薬局に、2023 年4月からの導入を原則と

は、デジタルは地方の社会課題(人口減少、過疎化、

して義務付けることとされている。

産業空洞化等)を解決するための鍵であり、新しい

そこで、より迅速で円滑な救急活動を目指し、オ

付加価値を生み出す源泉であるとし、デジタルイン

ンライン資格確認等システムを救急現場でも活用す

フラを急速に整備し、官民双方で地方におけるデジ

ることにより、救急隊員が救急業務に資する傷病者

タル・トランスフォーメーション(以下、本特集に

の医療情報等を、正確かつ早期に把握し、傷病者の

おいて「DX」という。
)を積極的に推進することと

搬送に活かすための検討を開始した。

している。
イ 現在の取組
令和4年度は、
「令和4年度救急業務のあり方に


消防防災分野におけるDX

関する検討会」の下に、有識者等から構成されるワ
ーキンググループを設置し、実証実験を実施すると
ともに、事業効果や課題等について、多角的な視点

令和4年6月7日に閣議決定した「経済財政運営

から本格運用に向けた検討を行うこととしている。

と改革の基本方針 2022」
(以下、
本特集において「骨

実証実験を実施する消防本部については、公募の

太の方針 2022」という。
)においては、
「DX の推進

結果、管轄する市町村の規模、マイナンバーカード

などによる(中略)消防団を含む消防防災力の拡

の普及状況、市長部局や医療機関との連携体制等を

充・強化」が掲げられており、消防防災分野におけ

踏まえて、ワーキンググループで意見を伺い、6つ

る DX の推進が求められている。

の消防本部に決定し実証実験を行っている。

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