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令和4年版 消防白書 (169 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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2章



8節



消防防災の組織と活動

広域消防応援と緊急消防援助隊

1.消防の広域応援体制
(1)消防の相互応援協定

ぞれの地域における消防責任の遂行に全力を挙げる
一方、一旦国内のどこかで大規模災害が発生した場

市町村は、消防に関し必要に応じて相互に応援す

合には、消防庁長官の求め又は指示により、全国か

べき努力義務があるため、消防の相互応援に関して

ら当該災害に対応するための消防部隊が被災地に集

協定を締結するなどにより、大規模災害や特殊災害

中的に出動し、人命救助等の消防活動を実施するシ

などに適切に対応できるようにしている。

ステムである。

現在、全ての都道府県において、各都道府県内の

発足当初、緊急消防援助隊の規模は、救助部隊、

全市町村、消防の一部事務組合等が参加した消防相

救急部隊等からなる全国的な消防の応援を実施する

互応援協定(常備化市町村のみを対象とした協定を

消防庁登録部隊が 376 隊、消火部隊等からなる近

含む。
)が締結されている。

隣都道府県間において活動する県外応援部隊が 891
隊、合計で 1,267 隊であった。平成 13 年1月には、

(2)広域消防応援体制の整備
大規模災害や特殊災害などに対応するためには、
市町村又は都道府県の区域を越えて消防力の広域的
な運用を図る必要がある。このため、消防庁では、

緊急消防援助隊の出動体制及び各種災害への対応能
力の強化を行うため、消火部隊についても登録制を
導入した。
さらに、複雑・多様化する災害に対応するため、

2に述べる緊急消防援助隊の充実強化を図るととも

石油・化学災害、毒劇物・放射性物質災害等の特殊

に、大規模・特殊災害や林野火災等において、空中

災害への対応能力を有する特殊災害部隊、消防防災

消火、救助活動、救急活動、情報収集、緊急輸送等

ヘリコプターによる航空部隊及び消防艇による水上

の消防防災活動全般にわたりヘリコプターの活用が

部隊を新設したことから、8部隊、1,785 隊となっ

極めて有効であることから、効率的な運用を実施す

た。

るため、昭和 61 年(1986 年)に「大規模特殊災害
時における広域航空消防応援実施要綱」
を策定して、

イ 平成 15 年消防組織法改正による法制化

消防組織法第 44 条の規定に基づく応援要請の手続

東海地震をはじめとして、東南海・南海地震、首

の明確化等を図り、消防機関及び都道府県の保有す

都直下地震等の切迫性や NBC テロ災害等の危険性が

る消防防災ヘリコプターによる広域応援の積極的な

指摘され、こうした災害に対しては、被災地の市町

活用を推進している(資料 2-8-1)


村はもとより当該都道府県内の消防力のみでは、迅
速・的確な対応が困難な場合が想定される。そこで、

2.緊急消防援助隊
(1)
緊急消防援助隊の創設と消防組織法改正によ
る法制化
ア 緊急消防援助隊の創設
緊急消防援助隊は、平成7年(1995 年)1月 17
日の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、国内で発生

全国的な観点から緊急対応体制の充実強化を図るた
め、消防庁長官に所要の権限を付与することとし、
併せて、国の財政措置を規定すること等を内容とす
る消防組織法の一部を改正する法律が、平成 15 年
に成立し、平成 16 年から施行された。
(ア)法改正の主な内容

した地震等の大規模災害時における人命救助活動等

法改正の主な内容は、緊急消防援助隊の法律上の

をより効果的かつ迅速に実施できるよう、全国の消

明確な位置づけと消防庁長官の出動の指示権の創

防機関相互による援助体制を構築するため、全国の

設、緊急消防援助隊の編成及び施設の整備等に係る

消防本部の協力を得て、同年6月に創設された。

基本的な事項に関する計画(以下本節において「基

この緊急消防援助隊は、平常時においては、それ
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本計画」という。
)の策定及び国の財政措置となっ