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令和4年版 消防白書 (221 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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6章



b

c

消防防災の科学技術の研究・開発

地域住民による津波避難訓練を計測するこ

関する実験を行った。

とによって、屋内及び屋外の避難行動を一連と

また、超高齢社会では、高齢者自らが安全で効果

して捉え直すことによる避難行動時間予測の

的に初期消火を行うことができれば被害低減につな

高精度化に資する時間及び速度データを取得

がるが、新型コロナウイルス感染症対策の状況を踏

した。

まえ、集合せずとも実施可能な消火器訓練として、

車椅子等の避難支援器具について、避難時間

映像教材等による教育効果の測定と評価を行った。

の短縮化及び救助者の高齢化を見据えた省力
化の検討を行うため、地域における日常的な保
管方法及び平面、傾斜、垂直(階段)の避難経
路における活用の実態を把握した(第 6-2 図)


イ 消
 防力と消防水利の変化が延焼被害等に及ぼす
影響の評価
(ア)背景・目的
消防本部が管轄内で発生する火災に十分に対応す

第 6-2 図

 斜の急な避難経路における要配慮者

の避難支援

るためには、火災予防の推進によって火災の発生と
拡大を抑制するとともに、地域の状況に合わせて十
分な消防力と消防水利を確保しておくことが重要で
ある。
本研究では、消防本部による消防力と消防水利の
整備に資することができるよう、市街地火災の延焼
阻止に必要な消防水利の評価手法を開発するととも
に、消防力運用シミュレーションに基づく火災被害
推定手法の開発を行う。
(イ)令和3年度の主な研究開発成果
本研究は、3つのサブテーマから構成される。
サブテーマ「市街地火災の延焼阻止に必要な消防

(2)
市街地火災による被害を抑制するための研究
開発
ア 超
 高齢・人口減少社会の火災発生予測と対策
(ア)背景・目的

水利の評価手法に関する研究」では、放水量に関連
するデータを収集するための調査内容の検討を行っ
た。
サブテーマ「消防力、消防水利の要素を考慮した

今後想定される更なる高齢化と人口減少は、同時

市街地火災延焼シミュレーションソフトウェアの開

に空き家の増加や社会インフラの老朽化とダウンサ

発」では、消防隊員が消火に用いる消防水利を選定

イジング、日中ほぼ高齢者のみとなる地域や要救助

する際の考え方に関する調査内容の検討を行った。

者の増加などの社会変化をもたらし、火災の発生や

また、実火災における消防水利の選定ルールとは別

被害の様相も変化することが懸念される。そこで、

に、計算モデルとして限定された条件下で最適な消

火災の変化を予測するとともに、社会変化に適した

防水利の選定アルゴリズムについて検討した。さら

初期火災対応技術の開発を行い、消防機関や地域住

に、今後の検討に用いるため、初動時消防力最適運

民が自ら考え備えるのに役立つ情報を発信すること

用システムの一部機能、道路ネットワークデータの

を目的とする。

読込機能及び編集機能(道路の加除修正や消防署所

(イ)令和3年度の主な研究開発成果

及び消防水利の追加)をソフトウェアに追加した。

初期火災対応技術の開発として、火災の早期発見

サブテーマ「市街地火災延焼シミュレーションソ

のための火災警報の共有と消火器の使用訓練方法に

フトウェアの改良」では、ソフトウェアを東京消防

関する実験を行った。

庁の開発した延焼速度式(東消式 2001)にも対応

火災警報の共有では、住宅用火災警報器の発報を

させたほか、都市データの高精度化、指定した建物

屋外に知らせる屋外警報装置等の技術基準ガイドラ

群の各建物から出火するシミュレーションを順次行

インを踏まえ、屋外での警報音の可聴範囲の予測を

う機能(第 6-3 図)の実装、指定した建物群に対す

目的として、各種の暗騒音下での警報音の可聴性に

る延焼被害を集計する機能の実装等を実施して、機

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