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令和4年版 消防白書 (222 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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能を向上させた。

至る可能性が高いことから、予備注水を対象とした

た(令和4年3月現在、合計 104 機関へ提供済み)

験を行った。予備注水の量は 300g 及び 600g とし、

ほか、既に提供していた消防本部や地方公共団体の

予備注水から実験までの時間を 2種類(予備注水

防災部局5機関に対して、更新した延焼経路データ

終了後1分後、11 分後)変化させて実験を行った。

の追加提供を行った。

火の粉は瓦上の水分によって消炎することがわかっ
た。予備注水の効果はみられるが、水の量によって

第 6-3 図

 定した建物群から出火するシミュレ

ーションを順次行う機能の例

7棟の建物を
ポリゴンで指定

効果に変化があるわけではないことがわかった。余
分な水は全て流れてしまい、瓦の上に残る水分量に
変化がないためであると思われる。また、実験開始
から時間が経過すると水分が蒸発してしまうため、

7件の
計算
結果

(左:入力画面 右:出力結果)

予備注水による防御効果が減少した。
エ 火災旋風の発生予測
(ア)背景・目的

ウ 飛び火に対する防御
(ア)背景・目的

市街地で同時多発火災が発生すると、猛烈な風を
伴う火災旋風が発生して被害を格段に大きくする可

広域火災(地震後の市街地同時多発火災、市街地

能性がある。一旦火災旋風が発生してしまうと、被

火災、林野火災等)では、
「飛び火」が発生して被

害を防ぐことは極めて難しい。しかし、同時多発火

害を極端に大きくすることがある。飛び火とは、火

災発生時に消防力が不足して全火災を消せない場合

の粉が飛んで来て出火することで火災を急速に広域

でも、死傷者を出すほどの強風を伴う火災旋風が今

化させる現象で、特に有風下(又は強風下)におい

後どの火災で発生する可能性があるかを特定できれ

ては火災の急激な拡大を招く場合がある。本研究課

ば、その火災が小さいうちに優先的に消すことで火

題では火の粉発生装置による実験を通じて既往の延

災旋風の発生が防げる。本研究の目的は、火災の規

焼防止手法に対する飛び火被害防止の効果確認に加

模がどれくらいになれば、死傷者を出すほどの強風

え、新たな防御手法を開発する。開発した技術を用

を伴う火災旋風が発生し、その強風域がどれくらい

いることにより、消防活動における強風下での飛び

の範囲に及ぶか、ということを予測するモデルを開

火警戒の指針作成を目指す。

発することである。

(イ)令和3年度の主な研究開発成果

(イ)令和3年度の主な研究開発成果

消防本部における飛び火関連の文書に関して、ど

過去に発生事例の多い「火災域風下に発生する火

のような情報が具体的に必要とされているのかを確

炎を含まない火災旋風」の発生予測モデルの作成を

認するため、アンケート調査を行った。飛び火関連

進めた。また、細長い火源周辺に発生する火災旋風

での消防戦術に関する情報を得ることを目的とし、

の可視化実験を行った結果、2種類の性質の大きく

全国 724 消防本部を対象として、アンケートの回答

異なる渦が異なる場所で発生しており、このことが

及び飛び火関連文書の提供を依頼した。アンケート

火災旋風の渦の強さの風速依存性に大きな影響を与

では、一般的な警防文書に加えて、飛び火警戒内容

えていることを明らかにした(第 6-4 図)
。さらに、

が含まれる可能性の高い強風下における火災に関わ

野焼き時に発生する大規模な火災旋風の風速や延焼

る文書・大規模火災に関わる文書・木造密集地域火

状況の観測を試みた。

災に関わる文書・林野火災に関わる文書の4種類を
対象とし、飛び火警戒内容についての記述の有無に
関しての調査を実施した。
また、日本で一般的な瓦(日本瓦)は、波形であ
るため、火の粉が瓦の下に潜り込みやすく、着火に
207

消防防災の科学技術の研究・開発

8m/s とし、日本瓦6枚(2列×3段)を用いて実

章章

ョンソフトウェアや延焼経路データを新たに提供し

66

火の粉に対する防御実験を行った。風速は6m/s と

第第

その他、4消防本部の依頼に対してシミュレーシ