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令和4年版 消防白書 (78 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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(3)防火対象物定期点検報告制度

令和4年3月 31 日現在、法令により防災管理体
災管理対象物は、全国に1万 171 件あり、そのうち

門的知識を有する者(以下「防火対象物点検資格者」

86.0%に当たる 8,746 件について防災管理者が選

という。
)による点検及び点検結果の消防機関への

任され、その旨が消防機関に届出されている。
また、防災管理者が自ら事業所等の適正な防災管

この防火対象物点検資格者は、消防用設備等の工

理業務を遂行するために防災管理に係る消防計画を

事等について3年以上の実務経験を有する消防設備

作成し、その旨を消防機関へ届け出ている防災管理

*10

や、防火管理者として3年以上の実務経験を

対象物は 8,340 件で全体の 82.0%、自衛消防組織

有する者等、火災予防に関し一定の知識を有する者

を設置している防災管理対象物は 9,269 件で全体の

であって、総務大臣の登録を受けた法人が行う講習

91.1%となっている(資料 1-1-57)




の課程を修了し、防火対象物の点検に関し必要な知
識及び技能を修得したことを証する書類の交付を受
けた者である。

(2)統括防災管理者
消防法では、防災管理対象物のうち管理権原が分

令和4年3月 31 日現在、防火対象物点検資格者
の数は3万 4,282 人となっている。

かれているものについては、防災管理を一体的に行
うため、統括防災管理者を協議して定め、防災管理

また、防火対象物定期点検報告が義務付けられた
防火対象物のうち管理を開始した時から3年が経過

対象物全体の防災安全を確立することを各管理権原
者に対して義務付けている。

しているものは、当該防火対象物の管理権原者の申

令和4年3月 31 日現在、統括防災管理者を選

請に基づいた消防機関が行う検査により、消防法令

任しなければならない防災管理対象物は、全国に

の基準の遵守状況が優良なものとして認定された場

3,184 件あり、そのうち 86.3%に当たる 2,747 件

合には、3年間点検・報告の義務が免除される。

について統括防災管理者が選任され、その旨が消防

なお、防火対象物が、防火対象物点検資格者によ

機関に届出されている。また、建物全体の防災管理

って点検基準に適合していると認められた場合は

を一体的に行うため、全体についての消防計画を作

「防火基準点検済証」を、消防機関から消防法令の

成し、その旨を消防機関へ届け出ている防災管理対

基準の遵守状況が優良なものとして認定された場合

象物は 2,695 件で全体の 84.6%となっている(資

は、
「防火優良認定証」を、それぞれ表示すること

料 1-1-58)


ができる。
5.立入検査と違反是正
4.防災管理制度

(1)立入検査と違反是正の現況

(1)防災管理者

消防機関は、
火災予防のために必要があるときは、

消防法では、切迫する大地震等の危険に対応する
ため、大規模・高層建築物等の管理権原者に対して、

消防法に基づき、防火対象物に立ち入って検査を行
っている。

*11

令和3年度中に全国の消防機関が行った立入検

の作成、地震発生時の特有な被害事象に関する応急

査回数は、68 万 4,027 回となっている(資料 1-1-

地震災害等に対応した防災管理に係る消防計画
*12

体制や避難の訓練の実施等を担う防災管理者



選任及び火災その他の災害による被害を軽減するた
*13

めに必要な業務等を行う自衛消防組織
義務付けている。
*10
*11
*12
*13

の設置を

59)

立入検査等により判明した防火対象物の防火管理
上の不備や消防用設備等の未設置等について、消防
長又は消防署長は、消防法に基づき、防火管理者の

消防設備士:消防用設備等に関して専門的知識を有する者として、消防設備士免状の交付を受けている者
防災管理に係る消防計画:防災管理上必要な事項を定めた計画書であり、防災管理者は当該計画を作成するとともに、本計画に基づ
いて防災管理業務を遂行するもの。
防災管理者:防災管理に関する講習の課程を修了した者等の一定の資格を有し、かつ、防災管理対象物において防災管理上必要な業
務を適切に遂行できる管理的又は監督的な地位にある者で、管理権原者から選任された者
自衛消防組織:防火対象物の従業員からなる人的組織であって、消防計画に定められた役割により、火災等の災害発生時における被
害を軽減するための必要な業務を行うもの。

63

災害の現況と課題

報告を1年に1回義務付けている。

章章

象物の管理権原者に対して、火災の予防に関して専

11

制を確立し防災管理者を選任しなければならない防

第第

消防法では、一定の用途、構造等を有する防火対