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令和4年版 消防白書 (164 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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第第
章章

(3)救助技術の高度化等

消防防災の組織と活動

小型救助車

特別高度工作車
なぜそうするのかについてコミュニケーションを通

多様化する救助事案に全国の消防本部が的確に対

じて理解させる「Know-Why 教育」などの人材育成

応し、救助技術の高度化を推進することを目的に、

に関する専門的知見を取り入れながら、救助隊長の

消防庁では、有識者や消防機関関係者などにより構

理想的な人材像や身につけるべきスキル、効果的な

成される検討会を実施しているほか、全国の救助隊

訓練指導マニュアル等について検討を進めている。

員などの意見交流の場として、全国消防救助シンポ

全国消防救助シンポジウムは、全国の消防本部の

ジウムを毎年度開催している。

経験、知見及び技術を共有することにより、我が国

検討会は、これまでは災害種別に応じたマニュア

における救助体制の一層の充実を図ることを目的と

ルの策定や新たな資機材の導入を検討してきたが、

している。令和4年度は「活動困難な環境下におけ

令和3年度から令和4年度の2年は、
「多様化する

る救助対応能力の向上」をテーマに、掘削現場での

救助事象に対応する救助体制のあり方について(救

生き埋め事故などの対応事例発表、専門家による講

助人材育成)
」をテーマとして、
「人」に焦点を当て

演や総合討論が行われた(11 月 15 日に開催)
。会

ている。

場には 700 名以上が来場するとともに、インターネ

災害が頻発化・広域化・激甚化し、消防の広域応

ットでライブ配信された。また、消防関係企業によ

援や警察、自衛隊等の関係機関との連携が求められ

る救助資機材等の展示ブースも会場に設けられた。

ている場面が増えている。また、全国的な職員の若
返りや救助活動の多様化により、技術の継承や効果
的な教育訓練指導が課題となっている。
そこで、令和3年度はまず、大規模災害時の関係
機関との連携体制強化方策及びそれを実行できる人
材育成について検討した。検討会では、令和3年7
月に静岡県熱海市で発生した土石流災害の対応を振
り返りつつ、活動調整会議等において情報共有・活
動方針の調整を行うことや平時から関係機関と「顔
の見える関係」を構築していくことの重要性を確認
し、関係機関連携に関する提言がまとめられた。
令和4年度は人材育成を中心に、時代に即した効
果的な教育手法、救助の現場・教育訓練をリードす
る中核人材の育成等について検討している。具体的
には、救助人材に求められる到達目標を明確にする
ことで自発的な人材育成を促す「内発的動機付け」

テクニカルスキル(救助実技)と併せて磨くべき「ノ
ンテクニカルスキル」
(例:コミュニケーション力)

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