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令和4年版 消防白書 (211 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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5章

国際的課題への対応



による死傷者の大幅な削減が可能となること等を理

基準・認証制度の国際化へ
の対応

解してもらうことが必要である。その結果として、
日本市場向けの消防用機器等をそのまま輸出するこ

1.消防用機械器具等の国際規格の現況

とによりコストを抑制する効果が期待でき、日本の

人、物、情報等の国際交流を進めていくには、国
又は地域により異なる技術規格を統一していく必要

消防用機器等の競争力強化にも繋がるものと考えら
れる。

がある。このため、ISO(国際標準化機構)等の国
際標準化機関では、国際交流の促進を技術面から支
える国際規格の策定を行っている。

1.日本の消防用機器等の品質、規格・認証
制度の発信

*3

消防庁では、消防法や消防用機器等の認証等、制

において国際規格の策定作業が行われており、我が

度に係る事項のほか、検定対象機械器具等や、自主

国も積極的に活動に参加している。

表示対象機械器具等を含む 19 品目の規格・基準の

消防用機械器具等の分野については、ISO/TC21

な お、ISO/TC21 の 活 動 に よ り、 令 和 4 年 3 月
31 日現在、95 の国際規格が定められているほか、
*4

ISO/TC94/SC14

においても 30 の国際規格が定めら

れている。

英訳を、消防庁ホームページ上で公開している。
また、国際会議や各国の消防防災展などのイベン
ト、政府間協議等の場で日本の消防用機器等の優位
性を PR するためのリーフレット等や、機器ごとの
特徴を詳細に示した資料を、業界団体等と共同で作

2.規格の国際化への対応

成し、配布している。

WTO(世界貿易機関)等における非関税障壁低減
に関する包括的な取組の中で、WTO 加盟国は原則と
して、WTO/TBT 協定(貿易の技術的障害に関する協
定)を踏まえ、国際規格に基づいた規制をすること
とされている。
今後も、ISO 規格を通して技術の交流を円滑にし、

2.国内の連携体制・日本企業へのサポート
(1)日本貿易振興機構(JETRO)と連携したセミ
ナーの開催
消防庁では、
「消防用機器等海外展開セミナー」
の開催等、
海外展開に関心を持つ国内企業に対して、

消防器具の技術発展を促すために、各国との連携を

東南アジア諸国の経済概況や日本企業の海外展開の

図りつつ、引き続き ISO 規格の策定に参画していく

実例などの情報を提供するとともに、海外展開に際

ことが必要である。

して支援を必要としている企業に対して、JETRO が
実施している海外展開支援サービス等の具体的な支

日本の規格に適合する消防
用機器等の海外展開
日本で製造・販売される消防用機器等は、消防庁

援事業の紹介を行っている。令和3年度の「消防用
機器等海外展開セミナー」は、新型コロナウイルス
感染症拡大の影響を踏まえ書面開催とし、消防庁の
取組、ベトナムにおける消防用機器等を巡る現状、

が策定する規格・基準に基づき、第三者機関による

ASEAN 諸国の一般経済概況、海外展開支援サービス

厳格な検定等の認証を得ることで、性能の確保やそ

の実例等の紹介を行った。

の確実な作動の担保がなされていることに加え、長
期の耐用年数といった優れた品質が保たれている。
経済発展を遂げている東南アジア諸国等において日

(2)個別の消防用機器等が日本規格に適合する旨
の英訳の証明書の発出

本の消防用機器等を普及させるためには、日本製品

日本の消防用機器等を輸出する際に日本規格に適

の品質・信頼性の高さだけでなく、日本の規格と認

合する旨の英訳の証明書を要求されるケースがある

証制度を一体で導入することにより火災件数や火災

ことから、日本企業の要望に応じて、個々の消防用

*3
*4

196

ISO/TC21:TC(Technical Committee)とは、ISO の専門委員会を示す。TC21 は、消防器具の専門委員会であり、消火器や感知器等の
国際規格について審議している。
ISO/TC94/SC14:TC94 は個人用安全防護衣及び保護具の専門委員会であり、SC14 はその分科会として消防隊員用個人防護装備の国際規
格について審議している。