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令和4年版 消防白書 (99 ページ)

公開元URL https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/r4/items/r4_all.pdf
出典情報 令和4年版 消防白書(1/23)《総務省 消防庁》
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1章



災害の現況と課題

2.都道府県・消防機関における防災体制
(1)防災体制の確立

業者)に対し、自衛防災組織の設置、防災資機材等
の整備、防災管理者の選任、防災規程の策定等を義

特別防災区域が所在する都道府県では、石油コン

務付けている。また、共同防災組織*3、広域共同防

ビナート等災害防止法に基づき、石油コンビナート

災組織*4 及び石油コンビナート等特別防災区域協議

等防災本部
(以下
「防災本部」
という。

を中心として、

会(以下「区域協議会」という。
)*5 の設置について

総合的かつ計画的に防災体制を確立している。

規定している。

防災本部は、石油コンビナート等防災計画(以下

令和4年4月1日現在、全ての特定事業所(650

本節において「防災計画」という。
)の作成、災害

事業所)に自衛防災組織が置かれ、71 の共同防災

時における関係機関の連絡調整、防災に関する調査

組織、11 の広域共同防災組織及び 57 の区域協議会

研究の推進等の業務を行っている。

が設置されている。これらの自衛防災組織、共同
防災組織及び広域共同防災組織には防災要員 5,218

(2)災害発生時の応急対応
特別防災区域で災害が発生した場合、その応急対

人、大型化学消防車 81 台、大型高所放水車 37 台、
泡原液搬送車 129 台、大型化学高所放水車 118 台、

応は、防災計画の定めるところにより、防災本部を

大容量泡放水砲 24 基、油回収船 19 隻等が整備され

中心として、都道府県、市町村、関係機関、特定事

ている(資料 1-3-5)


業者等が一体となって行われる。
その際、消防機関は、防御活動の実施、自衛防災
組織等の活動に対する指示を行う等の重要な役割を
担っている。

(2)大容量泡放射システムの配備
大容量泡放射システムは、浮き屋根式屋外貯蔵タ
ンクの全面火災に対応するため、毎分1万リットル
以上の放水能力を有する大容量泡放水砲、送水ポン

(3)特別防災区域所在市町村等の消防力の整備

プ、泡混合装置、ホース等で構成され、大容量泡放

令和4年4月1日現在、特別防災区域所在市町村

水砲1基当たり、従来の3点セット(大型化学消防

の消防機関には、大型化学消防車 65 台、大型高所

車、大型高所放水車及び泡原液搬送車)の最大 10

放水車 52 台、泡原液搬送車 85 台、大型化学高所放

倍程度の泡放射を行うことができるものである。

水車 32 台、3%泡消火薬剤 2,996kl、6%泡消火

現在、毎分1万リットルから4万リットルの放水

薬剤 651kl、消防艇 32 隻等が整備されているほか、

能力を有する大容量泡放射システムが、全国で 12

特別防災区域所在都道府県には、泡原液貯蔵設備

の広域共同防災組織等に配備されている。

19 基、可搬式泡放水砲4基等が整備されている。
消防庁は、緊急消防援助隊に特殊災害対応に特化
した「エネルギー・産業基盤災害即応部隊(ドラゴ
ンハイパー・コマンドユニット)
」の 12 地域への配
備や消防ロボット(スクラムフォース)の配備など
により、特別防災区域所在市町村等の消防力の整備
を支援している。
3.特定事業所における防災体制
(1)自衛防災組織等の設置
石油コンビナート等災害防止法では、特別防災区
域に所在する特定事業所を設置している者(特定事
*3
*4
*5

84

大容量泡放射システム

共同防災組織:一の特別防災区域に所在する特定事業所に係る特定事業者が、共同して自衛防災組織の業務の一部を行うために設置
する防災組織
広域共同防災組織:二以上の特別防災区域にわたる区域に所在する特定事業所に係る特定事業者が、共同して大容量泡放水砲等を用
いて行う防災活動に関する業務を行うために設置する広域的な共同防災組織
石油コンビナート等特別防災区域協議会:一の特別防災区域に所在する特定事業所に係る特定事業者が、共同して災害発生防止等に
関する自主基準の作成や共同防災訓練等を実施することを目的に設置する協議会