別添 新型コロナウイルス感染症対応について (137 ページ)
出典
公開元URL | https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/coronavirus_yushiki/index.html |
出典情報 | 新型コロナウイルス感染症対応に関する有識者会議(第5回 6/15)《内閣官房》 |
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第4章
保健所等の地域保健の体制
第1節
サーベイランス体制
小規模なクラスターが把握される状況になっていた。こうした状況を踏まえ、2月 25
日、政府対策本部において、対策の基本方針を決定した。
具体的には、①感染の流行を早期に収束させるため、クラスターが次のクラスター
を生み出すことを防止するための徹底した対策を講ずること、②こうした感染拡大防
止策を講じつつ、今後、国内で患者数が大幅に増えた場合は、重症者対策を中心とし
た医療提供体制等に対策を切り替えていく方針を示した。
これを受け、同日、厚生労働省は、専門家で構成されるクラスター対策班を設置し、
都道府県等からの相談に応じて、実地への専門家の派遣、電話やメールでの支援など
を行うこととした 217。クラスター対策は、積極的疫学調査により、患者の集団発生の
端緒(感染源等)を捉え、早急に対策を講ずることにより、感染拡大を遅らせたり、
最小化させたりすることを目的としていた。
また、患者が増加した場合の対策の移行については、3月1日、医師の発生届は、
現行と同様としつつ、クラスター対策については、地域の感染状況に応じて、厚生労
働省や専門家等と相談の上、優先順位を付けて実施する等、方針を示した。
(発生届の情報共有の流れ)
医師による発生届は、医療機関から FAX 等で保健所に提出され、保健所において、
感染症サーベイランスシステム(NESID)に全件入力することとされていた。保健所
が入力した情報は都道府県等の確認を経て、最終的にシステムに登録され、その情報
が国に共有される仕組みになっていた。
しかしながら、NESID による情報は週報として取りまとめることを想定したもの
であり、即時性に課題があることから、保健所は、別途、発生届の情報を都道府県等
や国に報告する必要が生じた。
(次の局面に向けた課題)
〇 医師による発生届について、効率的な運用や関係者間の迅速な情報共有を可能
とする仕組みの整備
クラスター対策班は、2020 年2月 25 日~5月 20 日までの間に、30 都道府県から 58 件の派
遣要請があり、74 件のクラスター事例に対して専門家が派遣された。その後 10 月2日までの間
に、クラスター対策班が関与したクラスター事例は 118 件になった。
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