各論

第４章

保健所等の地域保健の体制

第４節

保健所体制

（2021 年春の感染再拡大における保健所業務のひっ迫の状況

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）

図 52 療養先調整中の人数等の推移 2021 年３月～６月

（2021 年夏の感染拡大への対応を通じて明らかになった保健所の課題）
2021 年夏の感染拡大においては、感染力の強い変異株の流行により、これまでの
想定を上回る規模・スピードでの感染拡大が生じ、各保健所における運用面において
以下のような課題が明らかになった。
・ 陽性者が増加し、保健所業務がひっ迫する状況でも、保健所内の人員の再配置の
みで対応し、保健所外の本庁職員の動員等全庁体制の整備が不十分である保健所や、
全庁体制を行うための基準が定められておらず、保健所と本庁との意思疎通も不十
分である保健所が見られた。
・ BCP（業務継続計画）は、それぞれの保健所で策定されていたが、大規模自然災
害時のものであり、健康危機管理時の BCP として活用されなかった。
・ 健康危機管理時の BCP の判断基準が事前に定められていなかったため、保健所
業務ひっ迫時に、優先すべき通常業務の選択がなされなかった。このため、陽性者
が増加しても従来業務が継続され、従来業務と新型コロナウイルス感染症対策を兼
務する職員が疲弊した。
2021 年６月２日から、
「療養先調整中」
「入院先調整中」の人数の集計が開始された。入院先
療養中の人数は、療養先調整中の人数の内数。療養先調整中の人数は、それまでの「確認中」の
人数とは連続していない。
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