各論

第４章

保健所等の地域保健の体制

第１節

サーベイランス体制

（次の局面に向けた課題）
○ 変異株の発生に伴うサーベイランスの強化
○ HER-SYS の都道府県等や医療機関での更なる利用の促進
〇 HER-SYS データの精度向上と利活用、国の情報基盤の強化に向けた更なる取
組

６
～
８

３回目の緊急事態宣言（アルファ株～デルタ株）～
2021 年秋の感染減退（2021.3 月中旬～11 月下旬）

アウトライン
変異株の発生を受け、厚生労働省は、変異株 PCR 検査やゲノム解析 233の推進などサ
ーベイランスの強化に取り組んだ。変異株への置き換わりが進む中、重症化や死亡と
いった転帰情報や感染源などの把握が課題となり、HER-SYS について、数度にわたっ
て、データ項目の入力を徹底するよう都道府県等に求めた。
また、緊急事態措置区域や重点措置区域などの感染拡大地域においては、陽性者が
確認された事業所が、保健所業務の補助として濃厚接触者等を特定することが可能と
された。
（変異株の発生に伴うサーベイランスの強化）
新規感染者数の増加を受け、アルファ株へのサーベイランスを強化するため、３月
24 日、厚生労働省は、都道府県等に対して、管内の全陽性者の約 40％分の検体を目
途に、変異株 PCR 検査を実施、変異株が確認された場合には、可能な限り実施割合
を上げて変異株 PCR 検査を実施するよう求めた 234。
関西を中心に従来株からアルファ株への置き換わりが進む中、アルファ株の発生状
況を把握するための変異株 PCR 検査の必要性が低下する一方で、南アフリカで最初
に検出されたデルタ株など他の変異株を総合的に監視するため、ゲノム解析によるサ
ーベイランスを強化することが必要であった。
このため、５月７日、厚生労働省は、都道府県等に対して、変異株 PCR 検査 235の
ウイルスの塩基配列情報を解明することにより、塩基配列に生じた変異を特定する手法。
変異株 PCR 検査の実施率：27％（2021 年３月 15 日～21 日）
、32％（同月 22 日～28 日）
、
34％（同月 29 日～４月４日）
、36％（同月５日～11 日）
、32％（同月 12 日～18 日）
、42％（同
月 19 日～25 日）
235
N501Y 変異株 PCR 検査
233
234

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