各論

第６章

物資対策

対して、より明確に優先順位付けを行った流通を要請するとともに、その状況のモニ
タリングを行った。
厚生労働省及び経済産業省の合同チームが、買取保証を前提とした増産に取り組ん
だ結果、２月中旬以降、抗原定性検査キットの供給が一日 100 万個以上となるまで改
善が図られたが、地域によっては購入しにくい医療機関があると考えられたことから、
２月 18 日より、抗原定性検査キットの入手が困難な医療機関からの購入申請を厚生
労働省が受け付け、医薬品卸売販売業者による供給につなげる仕組み（緊急購入支援
スキーム）を整備した。
３月 16 日には、当面の安定的な流通に十分な供給量を確保することができたとし
て、1 月 27 日の優先順位付けの事務連絡等を廃止した。
さらに３月 16 日、総理から、再度の感染拡大や経済活動のニーズにも対応できる
よう、国が必要な買取保証を行い、増産による在庫も含めて、向こう 6 か月で計 3 億
5,000 万回分の抗原定性検査キットを確保できるようにすることが表明された。同月
25 日は、抗原定性検査キットの買取保証の前提となる予備費が閣議決定された 492。
抗原定性検査キットの在庫については、12 月 13 日の週には 625 万個、1 月 24 日
の週には一時 141 万個であったところ、2 月 28 日の週には 4,440 万個、３月 28 日の
週には 1 億 7,790 万個、５月２日の週には１億 8,636 万個に増加した。
2021年12月13日の週

625

2022年1月24日の週

141

2022年2月28日の週

4,440

2022年3月28日の週

17,790

2022年5月2日の週

18,636
0

5,000

10,000

15,000

20,000

抗原検査キット 在庫実績(万個)
図 66 抗原定性検査キットの在庫推移（厚生労働省メーカーヒアリングより）

（サプライチェーン強靭化のための対策）
経済産業省は国民が健康な生活を営む上で重要な製品・部素材の生産拠点の整備事
業を公募対象に含む、
「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金 493」

492

抗原定性検査キットを確保するために必要な費用として 929 億円を措置。このほか、３月 17 日、厚生労働省

は、薬局等での一般販売について、購入に当たっての署名を不要とした。
493

令和２（2020）年度予算額（第１次補正 2,200 億円、予備費 860 億円、第３次補正 2,108 億円）5,168 億円の

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