各論

第７章

水際

る宿泊施設がひっ迫し、宿泊施設への入所調整のために、空港で長時間の待機となる
例が続発した。
こうした状況を受け、また、年末に向けた帰国者の増加に備え、検疫は地方公共団
体とも連携して、必要な宿泊施設の確保に最大限に取り組んだ 519（一部の入国者に
は、到着空港から別の空港に移動した後、当該空港近辺の宿泊施設で待機させる 520な
ど、施設入所者数の平準化を図った。）。最終的には全国で約２万室の待機施設を確保
した。
また、当初、検疫の検査で陽性が判明した場合、当該入国者は近隣の医療機関に入
院するところ、国内でもオミクロン株感染者が急増した際に、空港周辺の地方公共団
体との間で、医療機関の病床の確保の調整が困難となり、
（重症でない場合には）検疫
が確保する療養施設で療養を行うケースも見られた。
（オミクロン株陽性者の航空機同乗者（濃厚接触者））
航空機同乗者に関する濃厚接触者は、従前は前後 2 列を含む計 5 列の座席に座って
いた者を濃厚接触候補者とし、連絡を受けた保健所が認定していたが、オミクロン株
の性質が不明であったことから、オミクロン株陽性者が発生した航空機の同乗者につ
いては、航空機内全員を濃厚接触者に認定することとした（2021.11.30）
。
結果として、オミクロン株陽性者の航空機同乗者（濃厚接触者）は 1 日当たりの最
大が 2,073 人となった（2021.12.19）。
その後、オミクロン株であっても、機内同乗者が陽性となる割合は低いことが判明
したため、厚生労働省は濃厚接触候補者の対象を限定し、前後 2 列を含む計 5 列の座
席に座っていた者とした。ただし、家族やその同行者は、搭乗前後で陽性者との接触
頻度が高いことから、前後 2 列に座っていた者に限らず検査陽性者の家族・同行者に
ついても濃厚接触候補者とした（2021.12.28）。

専門家の意見も踏まえ、デルタ株等のオミクロン株以外の変異株による３日間指定国・地域か
らの帰国者・再入国者等のうち、有効な新型コロナワクチン接種証明書保持者には検疫所の待機
施設における３日間待機を求めず、14 日間の自宅等待機措置に切り替えた（2021.12.4）
。
その後、①同帰国者・再入国者等の新型コロナワクチン接種証明書非保持者、②デルタ株等の
オミクロン株以外の変異株による６日間待機指定国・地域からの帰国者・再入国者等のうち有効
な新型コロナワクチン接種証明書保持者、③同帰国者・再入国者等の新型コロナワクチン接種証
明書非保持者を対象に①から順に、検疫所の待機施設での待機を求めず、14 日間の自宅等待機措
置に切り替えることとした（2021.12.10）
。
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成田空港周辺の宿泊施設が逼迫していたため、成田空港に到着した乗客を検疫がチャーターし
た飛行機で中部国際空港や福岡空港に輸送し、その近辺の宿泊施設での待機を依頼した。待機期
間終了後は、再度、検疫がチャーターした飛行機で成田空港に戻り、成田空港で解散となった。
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