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資料1-3 令和7年度 厚生労働科学研究費補助金公募要項(一次)(案) (190 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47009.html
出典情報 厚生科学審議会 科学技術部会(第142回 12/12)《厚生労働省》
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HB


エイズ対策政策研究事業

研究事業の概要

(1)背景
日本における新規 HIV 感染者及びエイズ患者の年間報告数の合計は、2016 年から 2022
年まで6年連続で減少していたが、2023 年は増加に転じた。新型コロナウイルス感染症の
流行以降減少していた保健所等での検査件数が回復したことが影響している可能性に留意
しつつ、引き続きエイズ対策を推進する必要がある。また、新規 HIV 感染者報告の中でエ
イズを発症して報告される割合は全体の約3割を占めている。さらに WHO のガイドライン
では、免疫状態にかかわらず、早期に治療を開始することで自らの予後を改善するのみな
らず、他者への感染も防止できることが示されており、診断後早期に治療を開始すること
が強く推奨されている。これらの状況を鑑み、わが国では HIV 感染症の早期発見・早期治
療に向けたさらなる対策が求められている。
また、血液製剤により HIV に感染した者については、HIV 感染症に加え、血友病、C型
肝炎ウイルス(HCV)感染を合併する場合が多く、極めて複雑な病態への対応が必要であ
る。加えて抗 HIV 療法の進歩により、長期療養に伴う新たな課題(様々な合併症への対応
や、患者高齢化に伴う医療と介護の連携体制構築等)も生じている。
わが国におけるエイズ対策は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する
法律(感染症法)」(平成 10 年法律第 114 号)に基づき策定される「後天性免疫不全症候
群に関する特定感染症予防指針(エイズ予防指針)」(平成 30 年1月 18 日告示)に沿っ
て展開されている。本研究事業では、エイズ予防指針に基づく対策を推進するため、社会
医学、疫学等の観点から、HIV 感染予防や継続可能な治療体制の確立、早期発見に結びつ
く普及啓発など、エイズ対策を総合的に推進するための研究を実施する。

(2)事業目標
エイズ予防指針に基づく対策を推進するため、これまでの事業や研究の現状を整理し、
その効果等について検証するとともに、継続すべき対策や新たに実施すべき対策を立案す
る。これらを踏まえて、わが国におけるエイズ対策を統合的に推進することによって、新
規 HIV 感染者数を減少させるとともに、新規 HIV 感染者報告の中でエイズを発症して報告
される者の割合を減少させること、また、診断された HIV 感染者・エイズ患者に対して適
切な医療を提供できる体制を整備することを目標とする。

(3)研究のスコープ
・施策の評価に関する課題:エイズ予防指針に基づき陽性者を取り巻く課題等に対する各
種施策の効果等を経年的に評価し、一貫したエイズ対策を推進する。
・発生の予防及びまん延の防止に関する課題:日本では新規 HIV 感染者報告の中でエイズ
を発症して報告される割合が約3割を占めており、新たな手法での予防啓発活動が必要で
ある。特に個別施策層である MSM(men who have sex with men)に向けた予防啓発を行
う。

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