令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (143 ページ)
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公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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令和4年度は、自営業者、会社役員を含む全業種の就業者及び事業場、大綱の重点業種等
のひとつであるメディア業界(放送・映像関連業、新聞関連業、出版関連業、広告関連業)
の就業者及び事業場、さらに重点業種等に準じた調査研究の対象として芸術・芸能従事者(実
演家)について、アンケート調査を行った。
①
全業種の就業者について、令和3年度の調査と比較し、1週間当たりの実労働時間が 60
時間以上の者の割合は、全体では 8.0%から 7.5%に減少したが、業種別では、「サービ
第
8.2%、「教育、学習支援業」が 8.2%から 9.2%、「情報通信業」が 4.1%から 4.5%に
3
章
ス業(他に分類されないもの)」が 7.0%から 8.4%、「卸売業、小売業」が 7.1%から
増加した。また、「管理的職業従事者」が 11.1%から 12.5%、「運搬・清掃・包装等従
第
3
ス職業従事者」が 2.4%から 2.9%に増加した。新型コロナウイルス感染症による経済活
章
動の低下から回復基調にある業種や職種、時間外労働の上限規制の適用によってそのしわ
寄せが懸念される管理的職業従事者の労働時間の増加について、今後、特に注視していく
過
労
死
等
を
め
ぐ
る
調
査
・
分
析
結
果
必要がある。
疲労の持ちこし頻度や理想の睡眠時間と実際の睡眠時間の乖離時間に関して詳細に分析
したところ、労働時間が長くなるほど翌朝に前日の疲労を持ちこす頻度が多く、翌朝に前
日の疲労を持ちこす頻度が多いほどうつ傾向・不安を有する者等の割合が多い傾向がみら
れ、また、労働時間が長いほど理想の睡眠時間と実際の睡眠時間の乖離が大きく、その乖
離が大きいほどうつ傾向・不安を有する者等の割合が多く、主観的幸福感は低い傾向がみ
られた。心身の健康を保持するためには、睡眠時間を確保し、疲労を翌日に持ちこさない
ことが重要な要素のひとつと考えられる。
②
過労死等をめぐる調査・分析結果
事者」が 5.2%から 6.6%、「販売従事者」が 8.7%から 9.8%、「保健医療・介護サービ
メディア業界の就業者について、
1週間当たりの実労働時間が 60 時間以上の者の割合は、
「放送・映像関連業」の 8.5%を除き、全業種の就業者全体(7.5%)より低かった。時間
外労働が生じる理由は、全業種の就業者全体とほぼ同様の傾向であるものの、「放送・映
像関連業」では「仕事の特性上、所定労働時間外も含めた長時間労働を行わないとできな
い仕事があるため」等、「出版関連業」では「業務量が多いため」、「仕事の繁閑の差が
大きいため」、「品質の追求にこだわりがあるため」等、「広告関連業」では「顧客の提
示する納期が短いため」、「顧客からの不規則な要望に対応する必要があるため(予期せ
ぬ仕様変更等)」等がそれぞれメディア業界の他の業種より高かった。一方で、「新聞関
連業」では「業務量が多いため」、「顧客の提示する納期が短いため」、「顧客からの不
規則な要望に対応する必要があるため(予期せぬ仕様変更等)」、「品質の追求にこだわ
りがあるため」等、「出版関連業」では「人員が不足しているため」等がそれぞれメディ
ア業界の他の業種より低かった。
定期健康診断及びストレスチェックの実施状況は全業種の事業場全体より割合は高く、
メンタルヘルス不調を原因とする休職者が存在しない事業場の割合は全業種の事業場全体
よりやや低かった。
疲労の持ちこし頻度は全業種の就業者全体よりやや高い傾向があるものの、主観的幸福
感は全業種の就業者全体より高かった。
ハラスメント等の経験は、「カスタマーハラスメントを受けた」が男女とも全業種の就
業者全体より高い割合を示しているほか、女性では「上司から、身体的攻撃、精神的攻撃
等のパワーハラスメントを受けた」及び「セクシュアルハラスメントを受けた」が全業種
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