令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (161 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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タは、本社のコンピューターに記録されるのみとな
っており、
工場と共有されていないため、
工場長も、
正確な時間外労働時間数を把握していなかったこと
が判明しました。
本社から取り寄せた記録に基づき労働時間の状況
を確認したところ、生産管理部門を中心に労働者 11
名について、36 協定で定めた上限時間(特別条項:
※写真はイメージです
月 80 時間)を超える違法な時間外・休日労働(最長:月 130 時間)が認められました。
第
また、安全衛生委員会でも、長時間労働となっている労働者の人数などが報告・審議が
されていませんでした。
4
章
そのため、工場長に対し、長時間労働の是正のためにも、労働者の労働時間数を正確
えて時間外労働を行わせたこと(労働基準法第 32 条違反)
、1月当たり 100 時間を超え
第
4
て時間外・休日労働を行わせたこと(労働基準法第 36 条第6項違反)などについて是
章
正勧告を行い、時間外・休日労働を月 80 時間以内とするための具体的な方策を検討・
過
労
死
等
の
防
止
の
た
め
の
対
策
の
実
施
状
況
実施するよう指導を行いました。
工場長は、労働基準監督署の指導を受け、こ
れまで労働時間管理を本社任せにしていたこと
を改め、長時間労働の削減に向けた各種対策を
実施することとしました。
まずは、工場長を含め、管理者が部下の労働
時間をしっかり把握できるよう、安全衛生委員
会や管理者が集まる定例会議の場で、毎月、部
門別の労働時間の状況を共有することとしまし
過労死等の防止のための対策の実施状況
に把握しておくことが重要であることを説明した上で、36 協定で定めた上限時間数を超
※写真はイメージです
た。その上で、適切な労働時間管理を行えるよう、月の途中で各労働者の時間外労働が
一定の時間に達した時点で、本社総務部から部門の管理者に対し注意喚起のメールが送
られる仕組みを導入しました。
さらに、工場では、毎月、一定の時期に納期が集中しており、その時期を中心に時間
外労働が多くなるという問題がありました。工場長は、これを長時間労働削減のために
はどうしても改善しなければならない喫緊の課題と位置付け、本社とも調整の上、自ら
取引先との協議を重ね、集中していた納期を緩和することができました。併せて、人員
配置の見直しや多能工化への取組を進めました。
こうした取組が実を結び、時間外・休日労働時間数が最長の者でも月 30 時間台とな
るなど、大幅な削減を実現しました。労働者はみな早く帰宅することができるようにな
り、働きやすい職場になりました。
(厚生労働省労働基準局監督課過重労働特別対策室)
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