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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (226 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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企業の取組】時間外労働の上限規制適用猶予業種・業務に係る
コラム14 【
働き方改革の取組事例~平和建設株式会社(広島県福山市)~
明治 15 年に岡田組として創業し、141 年もの間、広
島県福山市内に本社を置き、土木・建築工事業を営ん
できた平和建設株式会社。社員 33 人、嘱託とパート・
アルバイト8人が勤務する。代表取締役常務(31 歳)
が働き方の見直しに着手したのは平成 29 年、6代目
社長の父から指名されたことがきっかけだった。


<戦争の惨禍を経て平和建設に改名。
200 年企業を目指す>

会 社 が目 指す 姿を 社員に 伝 える こと から 改革は ス ター ト

過労死等の防止のための対策の実施状況

ましたが、社員に働き方への意見を募るアンケートを行っただけで、最初の1年間は何



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「国が進める働き方改革を受けて、社長から社内の改革をやってみろと言われて始め



もできませんでした」

常務はそう振り返る。働き方を自己管理する職人気質の社員たち。



工期に間に合わせるために残業や休日出勤が多い状況など、改善すべき課題は見えてい



た。だが、組織改編など過去何度かあった「改革」がうまく進まなかったこともあり、




















「またか」といった空気を社内に感じ、
「私も本気になれなかったので、協力者もいなか
った」と明かす。
何からどう取り組むべきか悩んだ末に頼ったのが、広島県の支援事業だった。働き方
改革に取り組もうとする県内中小企業にコンサルタントを派遣する事業に参加し、平成
30 年度の1年間、専門家の助言を得ながら進めることにした。
まず取り組んだのは、目指す会社の姿を社員に対し明確に示すことだった。
「どんな会
社にしようとしているのかわからないという声が上がったので、具体的な改善策に取り
組む前に、社是として掲げる『インテグリティ(誠実性)
』とはどういうものか、社会や
お客様に対して従業員が取るべき行動指針などを小冊子にまとめて配りました」
。会社の
ミッションやビジョンを「見える化」し、朝礼や部会を通して伝え、同じ目標をもつこ
とから始めた。
働き方の見直しの1歩目として、労務管理システ
ムを導入した。机上のパソコンや出先の現場からス
マホを使って出勤、退勤時にボタン入力する。それ
まで出退勤時刻は Excel に入力して毎月提出してい
たが、提出日近くになって過去にさかのぼって入力
する社員も見られたため、労務管理システムで正確
な労働時間を把握するようにした。

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<「働きがい改革」への取り組みを進めて
きた常務>