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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (264 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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業種である自動車運転従事者、教職員、IT(Information Technology)産業、外食産業、
医療、建設業、メディア業界に加え、自営業者や法人の役員を対象としたアンケート調
査を行い、その結果、取引先の都合による所定外労働発生や、人員不足の現状、業務関
連のストレスの状況等、職種・業種等に特有の課題を明らかにしてきた。
しかし、過労死等の背景要因を掘り下げ、我が国における過労死等の全体像を明らか
にするためには、新たな課題にも対応するべく、一定期間を周期として定期的に調査を
し、結果を経年比較する取組が必要である。
また、これらに限らず、音楽や映画、演劇等の芸術・芸能分野のように、長時間労働
の実態があるとの指摘がある業態等については、社会情勢の変化に応じて、調査研究の
対象に追加していく必要がある。
これらの調査研究を通じて、我が国の過労死等の状況や対策の効果を評価するために
妥当かつ効果的な指標・方法について、検討していくべきである。

資料編

こうした調査研究を進めるに当たっては、その基礎となるデータの取り方について、
客観性と専門性を担保できるよう取り組むとともに、これらの調査研究の成果を集約し、
啓発や相談の際に活用できる情報として広く発信していくことが必要である。
2 啓発の基本的考え方
(1)国民に対する啓発
過労死等には、労働時間や職場環境だけでなく、その背景となる企業の経営状況や
様々な商取引上の慣行のほか、睡眠を含めた生活時間等、様々な要因が関係している。
また、過労死等を防止するためには、職場のみでなく、職場以外においても、周囲の
「支え」が重要である。
このため、過労死等を職場や労働者のみの問題と捉えるのではなく、国民一人ひと
りが、労働者の生産した財やサービスの消費者として、ともに生活する社会の構成員
として、さらには労働者を支える家族や友人として、自身にも関わることとして過労
死等に対する理解を深めるとともに、過労死等を防止することの重要性について自覚
し、過労死等の防止に対する関心と理解を深めることが必要である。
そのために、啓発活動として行われてきた講演会やセミナー、過労死等防止対策推
進シンポジウムへの参加をさらに強力に促していくこと、国、地方公共団体、民間団
体との協力・連携を強めること、各種メディアや SNS(Social Networking Service)
等を利用して広く周知していくことが必要である。
なお、過労死等に対する理解を深める上で、脳・心臓疾患及び精神障害に係る労災
補償や公務災害の手続きや状況は重要な情報であることから、適正な労災支給決定(認
定)等はもとより、労災補償や公務災害の手続きや状況を国民に広く周知することが
重要である。
(2)教育活動を通じた啓発
過労死等の防止のためには、若い頃から労働条件をはじめ、労働関係法令に関する
理解を深めることも重要である。このため、民間団体とも連携しつつ、学校教育を通
じて啓発を行っていくことが必要である。
より多くの学生・生徒が過労死等の労働問題と労働条件等の改善の重要性について
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