令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (214 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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「健康プロジェクト」への評価はホームページを通じて社外にも伝わ
り、中途採用の応募が増えているという。
この数年の応募者の大半が「健康プロジェクトに取り組んでいる会社だから」を志望
理由に挙げ、令和5年度は5人の採用目標に対して上半期で9人が内定、募集をストッ
プした。
「社員を病気にさせないために始めたことが、思わぬ結果を生んでいます」と社
長は話す。
同 業 3社 合同 で産 業医と 契 約、 早期 の発 見と治 療 につ なげ る
第
さらに同社は健康管理士の助言を受けて、労働者
数 50 人未満の事業場には選任義務のない産業医につ
4
章
いても、都内の運送業3社と合同で契約。メンタル
過労死等の防止のための対策の実施状況
ヘルスを含む健康相談などで医師の助言や指導がす
ぐに受けられる体制を整え、早期の発見と治療につ
第
4
なげている。
章
過
労
死
等
の
防
止
の
た
め
の
対
策
の
実
施
状
況
ドライバーに配送先を割り振る配車担当の業務課
<出発前のドライバーの点呼も業務課長の
仕事。「そこで心身の変調を見極めます」>
長(38 歳)は、10 年間勤めて感じる会社の良さと
して、健康管理士と産業医の存在を挙げた。
「健康面の不安に関して気軽に相談できる環
境があることが、この会社の強みだと思います」
。健康優先を掲げる会社の方針が従業員
に浸透しているため、
「体調不良を会社に知られると仕事を回してもらえないのではない
かといった、弱さを見せることへの不安がない。そこが一番安心できるところです」
。
令和3年から月1回、外部講師を招いたドライバー研修を実施している。黄色信号で
走り抜けても到着時間は1、2分早いだけで、遅れそうならお客さんにまず連絡する。
トラックのあおり運転が後続車にどれだけの恐怖を与えるか体験してみる――。そうし
たドライバーの心得を中心に、座学と添乗指導を合わせて毎回約2時間教わる。
「安全運
転はドライバーのメンタル次第だといつも学んでいます」と業務課長。会社の研修制度
の充実を評価する。
業 種 と地 域の 異な る4社 で つく る合 同健 康研究 会
同社は、経済産業省が認定する健康経営優良法人
のなかで、
特に評価の高い中小企業に与えられる
「ブ
ライト 500」企業に、令和3年から3年連続で選ば
れている。そのブライト 500 認定会社でつくる「4
社合同健康研究会」を令和3年8月に発足させた。
その仲間は、東京都中央区の浅野製版所、長野県松
本市のルピナ中部工業と長野市の高木建設だ。
「従業
員と対面する機会が減ったコロナ禍での健康増進策
に取り組む難しさを感じていたときでした。業種や
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<「一人ではここまで取り組めなかった」
と健康管理士(左)を前に社長は話す>