令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (267 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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体や、研究者、弁護士等の専門家が研究会や啓発活動等を行う民間団体の組織化が行
われている状況にある。
また、産業医の育成や研修等を通じて、過労死等の防止に向け活動している民間団
体もある。
過労死等の防止のための対策が最大限その効果を発揮するためには、上記のような
様々な主体が協力及び連携し、国民的な運動として取り組むことが必要である。その
ような中、過去には過労死等防止対策推進シンポジウムが未開催であった都道府県も
あったが、こうした民間団体の取組があり、全ての都道府県で少なくとも毎年1回は
シンポジウムが開催されるようになった。
今後とも、過労死等防止対策推進シンポジウムを始め、過労死等の防止のための活
動を行う民間団体の活動を、国及び地方公共団体が支援するとともに、民間団体の活
資料編
動内容等の周知を進める必要がある。
第3 国が取り組む重点対策
国が重点的に取り組まなければならない対策として、労働行政機関等における対策
とともに、法第3章に規定されている調査研究等、啓発、相談体制の整備等、民間団
体の活動に対する支援について、関係行政機関が緊密に連携して、以下のとおり取り
組むものとする。特に、長時間労働の実態があり、勤務間インターバル制度の導入や
メンタルヘルス対策の取組が進んでいない中小規模の企業等の取組を向上させるため、
働き方改革推進支援センターや産業保健総合支援センターの地域窓口(地域産業保健
センター)における相談対応及び訪問支援、助成金の活用促進等の必要な支援等を実
施する。
あわせて、国家公務員に係る対策も推進するとともに、地方公共団体に対し、地方
公務員に係る対策の推進を働きかける。
なお、計画(Plan)
、実行(Do)
、評価(Check)
、改善(Act)の PDCA サイクル等を
通じて、今後の調査研究の成果や諸外国の状況等を踏まえ、取り組むべき対策を検討
し、それらを逐次実施していくこととする。
1 労働行政機関等における対策
(1)長時間労働の削減に向けた取組の徹底
都道府県労働局や労働基準監督署に寄せられた相談等から、過重労働の疑いがある
企業等に対しては、労働基準監督署の体制を整備しつつ監督指導等を徹底する。また、
過労死等を発生させた事業場に対しては、当該疾病の原因の究明、再発防止対策の確
立及び対策の徹底を指導する。特に、平成29年1月に策定した「労働時間の適正な
把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
(以下「労働時間適正把握
ガイドライン」という。)の周知、違法な長時間労働等が複数の事業場で認められた企
業に対する指導及び公表制度の運用、労働基準法第36条第1項の規定に基づく協定
(以下「36協定」という。
)の未締結事業場に対する監督指導について、取組の徹底
を図る。中でも、労働時間の把握については、原則として、使用者が自ら現認するこ
と、又はタイムカード、ICカード等の客観的な記録を基礎として労働者の始業・終
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