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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (153 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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疫学研究等の分析
疫学研究等の分析

(1)職域コホート研究
過労死等防止調査研究センターでは、過労死等の実態解明を進めるため、どのような要因
が過労死等の発生と関連するかを明らかにすることを目的に職域コホート研究を行っている。
共同研究機関である従業員支援プログラム提供機関の顧客企業のうち、本研究に参加同意の


得られた企業で働く労働者の個別同意を得た上で、勤怠記録、ストレスチェック結果、健康
診断結果、JNIOSH 式労働時間・睡眠調査票の回答を長期間(5~10 年)にわたって収集して



3

いる。



使用し、1年目の健康診断結果(血圧、血糖、脂質)に所見のなかった労働者 2,870 人(男

過労死等をめぐる調査・分析結果

令和4年 10 月時点で3年間のデータの蓄積がある企業5社の勤怠データ、健康診断結果を



性 2,069 人、女性 801 人)を対象に、12 か月間の平均労働時間と2年後の健康診断指標との



関連を分析した。








調







月当たり平均労働時間について、2年後の健康診断で有所見となるオッズ比が有意であっ
た指標は、HbA1c、HDL コレステロール、LDL コレステロールであった。平均労働時間 140-180
時間を基準にした場合、平均労働時間がそれより長くなると、HbA1c と LDL コレステロール
の有所見オッズ比は1より大きくなることが認められた(第 3-4-1-1 図)
。従って、長時間労
働は血糖や脂質に何らかの悪影響を与える可能性が示唆された。
今後、服薬、在宅勤務、運動習慣等を考慮し、勤務状況と労働者の健康状態との関連を総
合的に検討する予定である。

第 3-4-1-1 図 平均労働時間と健康指標との関連

(資料出所)労働安全衛生総合研究所過労死等防止調査研究センター「令和4年度過労死等の実態解明と防止対策に関する総合的な
労働安全衛生研究」をもとに作成
(注)1.基準は 12 か月間の平均労働時間 140-180h。●はオッズ比で、横棒は 95%信頼区間。
2.年代、性別、雇用形態、勤務形態、職種、1 年目での BMI 有所見の有無、2 年目の年間平均労働時間(5 群にカテゴリー化
したもの)を調整変数とした。

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