よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (257 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

の施行等により各種の取組が進められたところであるが、そうした取組が進められてい
る中でも、働き過ぎによって尊い生命が失われたり、特に、若年層の心身の健康が損な
われる事案が増加するといった、痛ましい事態が今もなお後を絶たない状況にあり、過
労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現にはほど遠い。
さらに、世界的な流行となった新型コロナウイルス感染症は、令和2年1月に、国内
で最初の感染者が確認され、この対応等のために発生する過重労働によって過労死等が
発生しないよう、その対策をより一層推進する必要がある。
また、国際機関から長時間労働が生命と健康に与える影響と長時間労働対策の必要性
についての指摘もなされている。
こうしたことから、大綱に基づくこれまでの取組状況を踏まえつつ、過労死等に関す
る諸問題にも対応するために、新たな大綱を策定するものである。

資料編

人の生命はかけがえのないものであり、どのような社会であっても、過労死等は、本
来あってはならない。過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充実して働き続
けることのできる社会の実現に寄与することを目的として、今後、この大綱に基づき、
過労死等の防止のための対策を推進する。
2 現状と課題
(1)労働時間等の状況
月末1週間の就業時間が60時間以上の雇用者(非農林業)の割合は、平成29年
から令和2年の間に、2.6ポイント(140万人)減少し、令和2年は5.1%(2
92万人)となっている。また、月末1週間の就業時間が40時間以上の雇用者(非
農林業)のうちの60時間以上の雇用者の割合は、平成29年から令和2年の間、減
少傾向にあり、令和2年は9.0%で、初めて10%を下回った(総務省「労働力調
査」による。)

また、長時間労働の削減や休息の確保につながる勤務間インターバル制度について、
導入状況別の企業割合をみると、「導入している」が4.2%、「導入を予定又は検討
している」が15.9%、
「導入の予定はなく、検討もしていない」が78.3%とな
っている。さらに、企業規模別の導入状況をみると、
「1,000人以上」が11.2%、
「300~999人」が7.9%に対して、「100~299人」が3.8%、「30
~99人」が3.7%となっている。加えて、勤務間インターバル制度の導入の予定
はなく、検討もしていない企業について、その理由別の割合をみると、
「超過勤務の機
会が少なく、当該制度を導入する必要性を感じないため」が56.7%と最も多く、
次いで、
「当該制度を知らなかったため」が13.7%となっている。
一方、実際の終業時刻から始業時刻までの間隔が11時間以上空いている労働者の
状況別の企業割合をみると、「全員」が32.4%、「ほとんど全員」が33.7%と
なっており、実質的に11時間の休息時間を確保している企業の割合は少なくない(厚
生労働省「令和2年就労条件総合調査」による。)

(2)年次有給休暇の状況
年次有給休暇の付与日数及び取得日数は微増傾向で推移しており、その取得率は、
249