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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (256 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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◎過労死等の防止のための対策に関する大綱
(令和3年7月 30 日閣議決定)
第1 はじめに
1 これまでの取組
近年、我が国において過労死等が多発し大きな社会問題となっている。過労死等は、
本人はもとより、その遺族又は家族にとって計り知れない苦痛であるとともに社会にと
っても大きな損失である。
過労死は、1980年代後半から社会的に大きく注目され始めた。
「過労死」という言
葉は、我が国のみでなく、国際的にも「karoshi」として知られるようになった。
近年においても、過労死等にも至る若者の「使い捨て」が疑われる企業等の問題等、劣

資料編

悪な雇用管理を行う企業の存在と対策の必要性が各方面で指摘されている。過労死等は、
人権に関わる問題とも言われている。
このような中、過労死された方の遺族等やその方々を支援する弁護士、学者等が集ま
って過労死を防止する立法を目指す団体が結成された。団体では、全国で55万人を超
える署名を集めること等により被災者の実態と遺族等の実情を訴え、立法への理解を得
るよう国会に対する働きかけを行うとともに、地方議会に対しては法律の制定を求める
意見書が採択されるよう働きかけを行った。また、国際連合経済社会理事会決議によっ
て設立された社会権規約委員会が、我が国に対して、長時間労働を防止するための措置
の強化等を勧告している。このような動きに対応し、143の地方議会が意見書を採択
するとともに、国会において法律の制定を目指す議員連盟が結成される等、立法の気運
が高まる中で、過労死等防止対策推進法(以下「法」という。)が、平成26年6月に全
会一致で可決、成立し、同年11月1日に施行された。
このように、過労死に至った多くの尊い生命と深い悲しみ、喪失感を持つ遺族等によ
る四半世紀にも及ぶ活動を原動力として制定された法の施行以降、過労死等の防止のた
めの対策は法に則って推進されてきた。
まず、法の規定に基づき、過労死等の防止対策を効果的に推進するため、
「過労死等の
防止のための対策に関する大綱」(以下「大綱」という。)を定めるべく、専門家委員、
当事者代表委員、労働者代表委員、使用者代表委員の4者から構成される過労死等防止
対策推進協議会(以下「協議会」という。
)を5回開催し、意見交換、議論を行い、平成
27年7月に、大綱が閣議決定され、国会に報告された。
法及び大綱に基づき、調査研究等、啓発、相談体制の整備等、民間団体の活動に対す
る支援の取組が国等により進められており、その状況は法第6条に基づく「過労死等防
止対策白書」(以下「白書」という。)で、毎年報告されている。
また、大綱策定後の協議会においては、定期的に、行政の取組の推進状況や白書につ
いての報告がなされ、それらの報告に基づき、過労死等防止対策をめぐる課題や今後の
過労死等防止対策の進め方について議論を行い、平成30年7月に見直しを行った大綱
が閣議決定され、国会に報告された。
大綱見直し後においては、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律
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