令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (218 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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コラム13 【
~埼玉県教育委員会~
公立の小学校、中学校、高等学校及び特別支
援学校に約4万人が勤務する埼玉県。県教育委
員会は令和元年度に「学校における働き方改革
基本方針」を策定し、教員の業務負担を減らす
ことで長時間勤務を解消する取組を進めてきた。
文部科学省が規定した公立学校教師の勤務時間
の上限に関するガイドラインに則して、在校等
4
年 360 時間以内」とする目標を掲げたが、計画
章
第
時間の超過勤務の上限を、
「原則月 45 時間以内、
<働き方改革に取り組む埼玉県教育委員会。
「日
本一働きやすい」教育現場を目指す>
最終年となる令和3年度までに達成できなかった。
過労死等の防止のための対策の実施状況
第
小 中 学校 教員 の6 割超が 月 4 5 時間 以上 の「 超過 勤 務」 状態
4
県教育委員会が実施した勤務実態調査による
章
と、令和3年6月の時間外在校等時間(いわゆ
過
労
死
等
の
防
止
の
た
め
の
対
策
の
実
施
状
況
る超過勤務に相当)が月 45 時間を超えた教員
の割合は、小学校 61.8%、中学校 69.3%、高等
学校 41.1%、特別支援学校 24.3%。平成 28 年
6月と比べると、それぞれ 10~19 ポイント減
り一定の改善はみられたものの、小・中学校で
は依然6割を超える状況が明らかになった。
調査内容から見えた超過勤務が起きる要因に
<県立高等学校長の教育現場を経て令和5年
6月に就任した教育長>
ついて県教育委員会の教育長は4点を挙げる。
「一つ目は授業準備や部活動が勤務時間外
にならざるを得ないこと。二つ目は書類作成や調査回答など授業と直接関係のない作業
が多く存在すること。三つ目は小・中学校と特別支援学校では週当たりの授業時間数が
多いことです。授業時間が教員一人当たり週 25 時間を超えるケースもあるため日中に
授業のない時間がなく、残業して書類作成などをしている。そして4つ目は週休日の部
活動です。
」
そうした実態を踏まえて県教育委員会は、
「学校における働き方改革基本方針」を改定。
引き続き働き方改革を推進し、学校教育の質の維持向上を図ることを目的に、令和4年
度から3か年の目標として、時間外在校等時間について「月 45 時間以内、年 360 時間
以内の教員数の割合を令和6年度末までに 100%に」を掲げた。加えて、
「『日本一働き
やすい』
『埼玉の先生になりたい』と言われる埼玉県を目指す」ことを宣言。前基本方針
にはなかった 100%の数値目標と、
「日本一」といったわかりやすいメッセージを新たに
打ち出した。
その意図を教育長はこう語る。
「県教育委員会として働き方改革に取り組む決意を表す
ためです。基本方針を改定した前教育長も本気度を示そうと言われていました。現場の
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