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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (144 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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の就業者全体より高く、男性では「上司とのトラブルがあった」が全業種の就業者全体よ
り高かった。
メディア業界においては、これらの結果も参考にしつつ、業界及び業所管も含めた関係
機関が協力し、その業種ごとの慣行や仕事の特性に応じた長時間労働対策、メンタルヘル
ス対策及びハラスメント対策など就業環境の改善に取り組んでいく必要がある。


芸術・芸能従事者(実演家)について、仕事に対する裁量の有無では、「声優、アナウ
ンサー」の裁量度合いが最も低く、「美術家」の裁量度合いが最も高かった。1週間当た

3

マン」(21.5%)、「音楽・舞踊・演芸」(17.2%)、「伝統芸能」(8.1%)が、全業種





りの拘束時間・労働時間が 60 時間以上の者は、「美術家」(31.1%)、「俳優・スタント
の就業者全体(7.5%)より高かった。1週間当たりの拘束時間・労働時間が 60 時間以上

過労死等をめぐる調査・分析結果

の者の仕事の性質をみると、芸術・芸能関係が占める割合は、「文筆・クリエイター」及



び「伝統芸能」が 100%、「音楽・舞踊・演芸」が 85.2%などであるのに対し、「俳優・



スタントマン」は 69.4%であり、拘束時間・労働時間が長時間に及ぶ者の中には、芸術・



芸能関係ではないアルバイト等の労働時間が多いことが要因となっている者の存在がうか









調







がわれた。
芸術・芸能関係の仕事による1か月の収入額は、「声優・アナウンサー」の「40 万円以
上」の割合が 70.0%で最も高く、一方、「俳優、スタントマン」は 20 万円未満の割合が
60.7%で最も高かった。
「うつ病・不安障害の疑い」がある者及び「重度のうつ病・不安障害の疑い」がある者
を合わせた割合は全業種の就業者全体よりやや高い傾向を示したが、主観的幸福感は全業
種の就業者全体より総じて高い傾向を示した。
ハラスメントの経験では、「声優・アナウンサー」は、「仕事の関係者に、心が傷つく
ことを言われた」
(68.6%)
「恥ずかしいと感じるほどの体の露出をさせられた」

(11.4%)、
「仕事の関係者に必要以上に身体を触られた」
(14.3%)、
「性的関係を迫られた」
(14.3%)
の項目が他の職種より多く、「俳優・スタントマン」は、「仕事の関係者から殴られた、
蹴られた、叩かれた、または怒鳴られた」(28.7%)、「羞恥心を感じる性的な実演をし
なければならない」(8.3%)の項目が他の職種より多かった。一方、「伝統芸能」は、「仕
事の関係者に必要以上に身体を触られた」を除き他の職種よりも少なかった。
芸術・芸能従事者(実演家)においては、職種によって、仕事に対する裁量度合をはじ
め、長時間の仕事の内容やその仕事に従事する理由も大きく異なっていた。総じて主観的
幸福感は全業種の就業者全体より高い状況もみられることを踏まえ、各職種における業界
団体や当該業界に関係の深い機関が中心となり、それぞれの職種の特性を踏まえ、芸術・
芸能関係又はそれ以外の仕事に従事する時間や心身の健康、幸福感などとのバランスを考
慮しつつ、メンタルヘルス対策やハラスメント対策を含む仕事環境の向上の取組を推進し
ていくことが望ましい。
なお、行政機関においては、以下のとおり取り組んでいる。


文化庁では、文化芸術分野の適正な契約関係構築に向け、令和4年7月に公表した契

約書のひな型を含むガイドラインの普及・啓発を行うとともに、研修会の実施や相談窓
口の設置等を進めるなど、フリーランスの芸術家を含む文化芸術関係者の事業環境の改
善に向けた取組を進めている。


芸術・芸能分野にかかわらず、フリーランスの方が安心して働ける環境を整備するた

め、特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第 25 号)が令和
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