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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (261 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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臓疾患は義務教育学校職員、その他の職員(一般職員等)、義務教育学校職員以外の教
育職員及び警察職員の順に多く、精神疾患等はその他の職員(一般職員等)
、義務教育
学校職員及び義務教育学校職員以外の教育職員の順に多くなっている。年齢別では、
脳・心臓疾患は50歳代、40歳代の順に多く、精神疾患等は40歳代、30歳代の
順に多い(以上、地方公務員災害補償基金「過労死等の公務災害補償状況について」
等による。)。
(8)課題
我が国が直面する少子高齢化に伴う生産年齢人口減少、働く人のニーズの多様化等
の課題に対応するためには、技術革新による省力化や業務の進め方の見直しによる生
産性向上を図りつつ、働きやすい職場づくりを通じて多様な者の労働参加を促してい
く働き方改革を推進する必要がある。

資料編

働き方改革については、働く人の健康を守り、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・
バランス)を実現できるようにするため、時間外労働の上限規制の導入、勤務間イン
ターバル制度の導入の努力義務化、年5日の年次有給休暇の時季指定の義務化等の法
整備を行ったところであり、その遵守が必要である。加えて、新型コロナウイルス感
染症の感染拡大に伴い、人手不足の状態となった医療現場や一部の職場で過重労働が
明らかになる等の状況の変化があるため、労働環境の実態を幅広く把握した上で、長
時間労働の削減に向けた取組を進めていく必要がある。
また、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」に設置した相談窓
口において、新型コロナウイルス感染症の影響による職場の人間関係の悪化、雇用や
収入面の不安、感染に関する不安等の相談が寄せられている。
さらに、ウィズコロナ・ポストコロナの働き方への対応としてのテレワークや、副
業・兼業、フリーランス等の多様な働き方における労働環境の状況を把握していく必
要がある。
あわせて、DX(Digital Transformation)
、IoT(Internet of Things)
、AI(Artificial
Intelligence)等の先端技術により業務の効率化が期待されている一方で、導入の検
討等のために負担が発生することから、先端技術の進展に伴う影響にも目を向ける必
要がある(注:DX とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタ
ル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを
変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競
争上の優位性を確立すること。
(経済産業省「デジタルトランスフォーメーションを推
進するためのガイドライン(DX 推進ガイドライン)」
(平成30年12月)による。)
)。
過労死等の件数は若年層の心身の健康が損なわれる事案が増加する等により、近年
高止まりの状況にあるが、加えて、新型コロナウイルス感染症への対応や働き方の変
化による過労死等の発生も防止する必要がある。
過労死等の防止のためには長時間労働の削減や休息の確保が重要であるが、同時に
これまでの調査研究において、労働時間の適正な把握や職種ごとの特徴を踏まえた対
応が効果的であることが示されてきた。さらに、過労死等の防止対策を進めるために
は、職場環境や勤務体制、勤務形態等を含めてどのような発生要因等があるかを明ら
かにしていく必要がある。
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