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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (213 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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士の事務所と顧問契約を結び、社長がリーダー、ドライバーの配車係2人をサブリーダ
ーに起用し、健康管理士と産業医が加わったチームで平成 29 年、従業員の心身の健康
をサポートする「SAISHO 健康プロジェクト」をスタートさせた。
最初に取り組んだのは、年1回の定期健康診断の受診 100%と要再検査者への徹底し
た受診勧奨だ。それまで約6割だった定期健診の受診率を、声掛けを続けて 100%に引
き上げ、要再検査者には、
「家族のためにも健康管理は大事です」などの思いを記した社
長の手紙を添えて健診結果を返した。再検査を受けるまで毎月手紙を渡し、3か月経っ
ても受診しない場合は
「業務時間中に病院に行けるよう、仕事を調整しています」
(社長)

そうして再受診 100%を実現させたという。


労 働 者数 5 0 人未 満で スト レ スチ ェッ クを 実施、 高 スト レス 者に は面談 も

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さらに、平成 29 年から従業員全員のストレスチ
ために、仕事や心身の状態、職場環境に関する質問





項目に労働者が回答するストレスチェック制度は、



労働安全衛生法で労働者数 50 人以上の事業場に実




















施が義務付けられている。50 人未満は努力義務とさ
れるなか、社長は「安全に荷物を運ぶドライバーに
とって大事なのは事故を起こさないこと。それには
メンタル面のチェックと心の安定がすごく重要で

過労死等の防止のための対策の実施状況

ェックも始めた。メンタルヘルス不調を未然に防ぐ

<「アドバイザーというよりプレイング
マネージャー」と自らの役回りを語る健
康管理士>

す」と実施の意図を話す。
産業医が「高ストレス者」と判断した従業員については、産業医と連携しながら健康
管理士による面談を行っている。
「高ストレス者から会社に申し出があった場合は医師が
面接指導する、というのが法律の規定ですが、従業員自ら面接してほしいという声は上
げにくいものです。そこで、申し出を経ずに高ストレス者全員に対してアプローチする
『健康面談』という形でフォローしています」と健康管理士。不安要素をそのままにせ
ず、対応につなげた結果、高ストレス者は「コロナ禍で少し増えた年を除けば、数は確
実に減っています」
(健康管理士)
効果的なメンタルヘルス対策として社長が挙げるのは、こうした健康管理士との健康
面談だ。定期健診後には全従業員と行う。心身の状態や悩みに加え、会社が取り組む「健
康プロジェクト」についての評価も聞く。健康面談を通じて把握した基礎疾患のある人
や悩みを抱えている人については、健康管理士から時々電話を入れて経過を尋ね、状況
を確認して産業医に報告している。
健康管理士は毎年、個人情報を含まない面談の概要を社長に報告してきた。その中で
社長が注目するのは「健康プロジェクト」に対する従業員の評価だ。
「始めた当初は、
『会
社が個人の健康に口を挟むのはどうか』といった反発がありましたが、次第に『社員を
大切に思ってくれている』という評価に変わり、令和4年は 100%近い従業員の賛同を

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