令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (175 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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よる直接的な対策と、勤務スケジュールに影響されるドライバーの睡眠のとり方への間
接的な対策が重要です。いくつかの事業場でのヒアリングからは、トラックドライバー
の勤務時間を固定することはもとより、長時間拘束や夜間早朝勤務を完全に無くすこと
は難しいとの声もありましたが、過労死等をなくすためには、負担の大きい勤務を可能
な限り減らすことや勤務配置を変えることが重要です。我々は、職場や個人単位で過労
死等防止対策を進めていくため、勤務や睡眠時間の量と質の問題点を「見える化」する
簡便なツールの研究開発も続けていきます。
第
(独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所
過労死等防止調査研究センター 研究員 松元俊
章
4
第
過労死等の防止のための対策の実施状況
過労死等防止対策支援ツールの開発等
2.4
2.4 過労死等防止対策支援ツールの開発等
4
これまでの労働安全衛生総合研究所における過労死等の事案分析、疫学研究、実験研究、
章
労働・社会分野の調査・分析などの過労死等の実態解明と防止対策に関する研究成果を各事
過
労
死
等
の
防
止
の
た
め
の
対
策
の
実
施
状
況
業場における過労死等防止対策に活用できるようにすることが重要である。そのため、令和
3年に同研究所過労死等防止調査研究センターに「過労死等防止対策実装研究班」を立ち上
げ、過労死等の防止対策の定着を支援するツール等を開発するための研究を行っている。
令和4年度は、事業者、業界団体、専門家等のメンバーから構成されるステークホルダー
会議を2回開催し、脳・心臓疾患のハイリスク者管理、重層構造における過重労働対策、中
小規模事業場における産業保健支援方法、労働者の過労死等防止のための行動変容支援、職
場環境改善を支援するチェックリスト(ドライバー版)開発と改善プログラムの開発につい
て検討を行った。
結果の発信
2.5
2.5 結果の発信
過労死等防止調査研究センターで行う過労死等事案の分析、疫学研究及び実験研究を含む
研究報告書、また、過労死等に関わる国内外の最新情報などを独立行政法人労働者健康安全
機構労働安全衛生総合研究所の Web サイト注 3)で、また、前記研究報告書とともに労働・社会
分野の調査・分析の結果についても、厚生労働省の Web サイト注 4)で公表している。
さらに、これらで得られた成果は、学会、講演会等でも発表し、その科学的論拠だけでな
く社会的意義を PR して賛同者、協力者を得るとともに、労働法制の見直しを検討する労働政
策審議会を始め、労働条件の改善のための各検討会の場でも活用されているところであり、
引き続き積極的な情報発信に努めていく。
注 3) 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所の Web サイト:
https://www.jniosh.johas.go.jp/groups/overwork.html
注 4) 過労死等防止対策に関する調査研究(厚生労働省)の Web サイト:
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04768.html
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