令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (259 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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があった職場に当てはまる特徴として、
「上司と部下のコミュニケーションが少ない/
ない」、
「残業が多い/休みが取り難い」、
「ハラスメント防止規定が制定されていない」
、
「失敗が許されない/失敗への許容度が低い」等が多くなっている(令和2年度厚生
労働省「職場のハラスメントに関する実態調査(委託事業)
」による。
)。
(5)就業者の脳血管疾患、心疾患等の発生状況
我が国の就業者の脳血管疾患、心疾患(高血圧性を除く。)、大動脈瘤及び解離(以
下「脳血管疾患、心疾患等」という。
)による死亡者数は、5年ごとに実施される厚生
労働省「平成27年度人口動態職業・産業別統計」によれば、減少傾向で推移してお
り、平成27年度は2万7千人余りとなっている。
就業者数を年齢別にみると、平成27年度の総務省「労働力調査」では60歳以上
資料編
の占める割合は全体の19.8%であるが、厚生労働省「平成27年度人口動態職業・
産業別統計」では、脳血管疾患、心疾患等による死亡者数のうち60歳以上の占める
割合は73.3%となっている。また、脳血管疾患、心疾患等による60歳以上の就
業者の死亡者数について、産業別には、農業・林業、卸売業・小売業、製造業、建設
業、サービス業等に多く、職業別には、農林漁業職、サービス職、専門・技術職、販
売職、管理職等で多くなっている。
(6)自殺の状況
我が国の自殺者数は、平成22年以後減少が続いていたが、令和2年は21,08
1人と令和元年と比較すると912人の増加となっている。
こうした中、被雇用者・勤め人(有職者から自営業・家族従業者を除いたもので、
会社役員等を含む。
)の自殺者数については、令和2年は6,742人と令和元年と比
較すると540人の増加となっている。
一方、原因・動機別(遺書等の自殺を裏付ける資料により明らかに推定できる原因・
動機を自殺者1人につき3つまで計上可能としたもの)にみると、勤務問題が原因・
動機の一つと推定される自殺者数は、ほぼ横ばいの状況にあり、令和2年は1,91
8人と令和元年と比較すると31人の減少となっているが、これを年齢別にみると、
20歳代の自殺者数は409人と令和元年と比較すると42人の増加となっている。
勤務問題を原因・動機とするものを詳細別にみると、
「職場の人間関係」
(27.2%)
、
「仕事疲れ」(26.6%)、「仕事の失敗」(16.3%)、「職場環境の変化」(14.
2%)の順となっている(以上、警察庁の自殺統計原票データに基づき厚生労働省算
出。)
。
(7)脳・心臓疾患及び精神障害に係る労災補償等の状況
ア.労災補償の状況
業務における過重な負荷による脳血管疾患又は虚血性心疾患等(以下「脳・心臓疾患」
という。
)に係る労災請求件数は、近年は増加傾向にあったところ、令和2年度は78
4件(うち死亡205件)となっている。また、労災支給決定(認定)件数は、近年
は200件台で推移していたところ、令和2年度は194件(うち死亡67件)とな
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