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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (266 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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い状況にある労働者を見逃さないようにするため、医師による面接指導や産業医、保
健師、看護師等の産業保健スタッフ等による健康相談等が確実に実施されるよう、事
業場における相談体制整備等を促進することが必要である。
あわせて、職場において健康管理に携わる産業医、保健師、看護師等の産業保健ス
タッフ等の人材育成、研修について充実・強化を図るとともに、事業場において労働
衛生管理を効果的に行うためには、労働安全衛生法において産業医の職務として規定
された事項を含め、産業医、保健師、看護師等の産業保健スタッフ等の役割分担を明
確にしつつ、衛生管理者等との連携を図りながら産業保健のチームとして対応するこ
とも必要である。
なお、相談窓口は、単に設置するだけではなく、労働者のプライバシーに配慮しつ
つ、必要な場合に労働者が躊躇なく相談に行くことができるよう環境を整備していく
ことが必要である。

資料編

また、令和2年版白書において、精神障害の発病から短期間で自殺につながった事
案が多かったことが報告されていることから、職場において、事業場内外の資源を用
いた相談体制の整備や周知を行うことに加え、労使双方が過労死等の防止のための対
策の重要性を認識し、労働者や管理監督者等に対する教育研修等を通じ、労働者が過
重労働や心理的負荷による自らの身体面、精神面の不調に気付くことができるように
していくとともに、上司、同僚も労働者の不調の兆候に気付き、産業医、保健師、看
護師等の産業保健スタッフ等に速やかにつなぐことができるようにしていくこと等、
相談に行くことに対する共通理解を形成していくことが必要である。特に、テレワー
クにおいては、周囲に上司や同僚がいない環境で働くことになるため、労働者が上司
等とコミュニケーションを取りにくい、上司等が労働者の心身の変調に気付きにくい
という状況となる場合が多いことから、コミュニケーションの活性化のための措置を
実施することが重要である。
さらに、大規模事業場の取組だけでなく、特に労働者数50人未満の小規模事業場
が利用しやすい相談体制が求められるが、それら小規模事業場の労働者の健康管理等
の支援を行う産業保健総合支援センターの地域窓口(地域産業保健センター)の充実・
強化を図るとともに、広く周知していくことが必要である。
また、職場以外においては、家族・友人等も過労死等の防止のための対策の重要性
を認識し、過重労働による労働者の不調に気付き、相談に行くことを勧める等適切に
対処できるようにすることが必要である。
過労死で親を亡くした遺児は生き辛さを抱えていることが多く、また残された遺族
も悩みを抱えていることが多いことから、民間団体の活動である「過労死遺児交流会」
への支援に加えて、遺児の健全な成長をサポートするために必要な相談対応を行うこ
とが必要である。
4 民間団体の活動に対する支援の基本的考え方
過労死等を防止する取組については、家族を過労死で亡くされた遺族の方々が悲し
みを乗り越え、同じ苦しみを持つ方々と交流を深めていく中で、それぞれの地域にお
いて啓発・相談活動を展開する民間団体や、全国規模での電話相談窓口の開設等を通
じて過労死等で悩む労働者やその家族等からの相談に携わっている弁護士団体が活動
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