令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (279 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf |
出典情報 | 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》 |
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6月の新・担い手3法の成立により、施工時期の平準化等を進めるとともに、著しく
短い工期による請負契約を締結してはならないこととし、令和2年7月には、中央建
設業審議会において「工期に関する基準」が作成・勧告されたところである。
令和6年4月からの時間外労働の上限規制の適用に向けて、引き続き、建設業の働
き方改革等の促進に取り組む。
カ.その他
重層下請構造や長時間労働の傾向が見られるメディア業界については、令和元年版
白書において、精神障害事案の多くが若年労働者の事案であること、精神障害事案の
発病に関与したと考えられるストレス要因は長時間労働に関連するものが多いことが
報告されている。
資料編
そのため、若年労働者が長時間に及ぶ時間外労働を強いられることがないように、
時間外労働の削減等仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のとれた働き方
の促進や、メンタルヘルス不調の発生防止等職場におけるメンタルヘルス対策の充実
を図る等、若年労働者の職場環境を整備していくための取組を推進する。
長時間労働の傾向が見られ、年次有給休暇の取得率が低い宿泊業については、今後
の訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加等に伴い宿泊施設利用者の増加が見込ま
れることにより、労働時間の増加が懸念されることから、長時間労働の削減や年次有
給休暇の取得促進に向けた取組を進める必要がある。
また、平成29年版白書によると、外食産業の労働者のうち、顧客からの理不尽な
要求・クレームに苦慮することが「よくある」、「たまにある」と回答した者の割合が
44.9%に達すると報告されている。特に、サービス産業を中心に、一部の消費者
及び生活者から不当な要求を受け、日常の仕事に支障が生じ、労働者に大きなストレ
スを与える事例も問題となりつつあることから、取組に当たってはそうした点に配慮
する。
(11)若年労働者、高年齢労働者、障害者である労働者等への取組の推進
業務における強い心理的負荷による精神障害の労災支給決定(認定)件数が多い若
年労働者や、脳・心臓疾患の労災支給決定(認定)件数が相対的に多い高年齢労働者、
個々の特性に応じた雇用管理を求められることが相対的に多い障害者である労働者等
については、心身ともに充実した状態で意欲と能力が発揮できるよう、各々の特性に
応じたきめ細かな配慮を行う必要がある。
ア.若年労働者への取組
若年労働者の過重労働の防止のため、雇入れ時における労働時間等の労働条件の明
示を図り、新規採用時の研修機会等を捉え、労働関係法令の基礎的な内容の周知を図
る。また、若年労働者が職場に定着し、安定的にキャリアを形成していくため、入社
間もない若年労働者が長時間に及ぶ時間外労働を強いられることや、若年労働者が不
当な職制の扱いをされて長時間労働を強いられることがないように、時間外労働の削
減等仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)のとれた働き方の促進や、メン
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