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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (227 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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週休2日を確保する「チャレンジ現場」、「W ありがとう制度」の独自策
週休1日がいまだ多く残る建設業界にあって、週2日を基本とする「チャレンジ現場」
にも取り組んだ。休日増で工期が多少長くなることを発注元にも理解してもらい、週休
2日を念頭に置いた施工スケジュールを組んでいる。その一方で、現場作業の効率化を
推進。黒板を使って工事現場を撮影し報告する作業の手間と時間を減らすため、工事写
真の撮影管理専用タブレットを4台導入した。加えて、定年退職後に嘱託社員として再
雇用した「マイスター」に土曜日の出勤をお願いして、社員の休日を確保しつつ、工期
短縮に努めている。



さらに有給休暇の取得を促す工夫も。1日につき1枚使う「有給休暇チケット」をつ
くり、各人に5枚配布した。
「紙のチケットを渡すことで有給休暇を『見える化』し、使

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い切る環境をつくろうと思いました」。また、振替休日の取得促進策として社長が命名し
手当を支給する制度だ。
「早い完工を目指して休みの日に働いてくれて『ありがとう』と





いうお客様からの感謝と、健康管理に気を付けて振替休日を取ってくれて『ありがとう』



という会社からの感謝を兼ねた制度です」。令和4年度の振替休日の取得日数は全体で




















133 日、計約 40 万円の手当を付与した。
こうした取組によって社員の年次有給休暇取得率は、改革前の平成 29 年度に 25%だ
ったのが平成 30 年度は 42%、最新の令和3年度は 44.4%に上昇。月平均の所定外労働
時間は平成 29 年度の 30 時間から平成 30 年は 6.8 時間、令和3年度も 11.4 時間に抑え
られている。
平成 31 年に入社し、5年目を迎えた社員(23 歳)
が、良いと感じる社内制度として挙げたのは、Wあ
りがとう制度だ。
「社員に対しての厚い配慮を感じる
からです」

会社が働き方改革に本格的に取り組み始
めたころの入社組。
「先に働いていた高校の先輩から
も、休日が取りやすいと聞いていました。働き方に
ついても時代の移り変わりに対応している会社だと
いう印象がありました」と話す。

過労死等の防止のための対策の実施状況

た「Wありがとう制度」も始めた。休日出勤した後に振替休日を取ったら、3,000 円の

<入社5年目の社員(写真左)は仕事と演
奏活動を両立させる>

小学2年生から和太鼓を続け、チームで演奏活動をしている。毎週金曜日の夜に集ま
って練習し、子どもたちにも教えている。
「残業が少ないので、毎週休まずに練習に出ら
れます。演奏が続けられる働き方も会社選びのポイントでした」と言う。
「 働 き方 改革 」よ りもっ と 大事 な「 働き がい改 革 」
同社は、福山市内の製鉄所内に、所内設備の修理・保全業務にあたる事業所も構える。
同事業所に常駐する所長(43 歳)は、週休2日の方針に、当初はどう実現させるか悩ん
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