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令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (216 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
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方改革の実現に向けた環境整備等の一体的な推進が必要であると提言された。
こうした学校における働き方改革の取組をさらに進めるための一つのきっかけとして、文
部科学省が平成 31 年1月に策定した
「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライ
ン」を法的根拠のある「指針」注 17)に格上げするとともに、休日の「まとめ取り」のため、
一年単位の変形労働時間制を各地方公共団体の判断により条例で選択的に活用できるよう、
公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法の一部を改正する法律(令
和元年法律第 72 号)が令和元年 12 月4日に成立し、「指針」は令和2年4月1日、一年単
位の変形労働時間制は令和3年4月1日に施行された。
文部科学省としては、この「指針」において、いわゆる「超勤4項目」注 18)以外の業務を
行う時間を含め、教育職員が学校教育活動に関する業務を行っている時間として外形的に把

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働き方改革関連法において改正された労働基準法等を踏まえて、所定の勤務時間を超える在





握することができる時間を「在校等時間」とし、勤務時間管理の対象とすることとした上で、
校等時間の上限時間を月 45 時間、年 360 時間以内等とした。「指針」に基づき、校長等の学

過労死等の防止のための対策の実施状況

校の管理職や教育委員会には、客観的な勤務実態の把握を前提に、時間外在校等時間の要因



の整理・分析・検証、時間外勤務縮減に向けた適切な対策等を行うことが求められる。



また、教師等が担う業務の明確化・適正化に向けて、令和2年7月に各教育委員会に対し



て「教諭等の標準的な職務の明確化に係る学校管理規則参考例等の送付について(通知)」




















等を発出した。さらに、各教育委員会や学校における働き方改革の進捗状況を明確にし、市
区町村別の公表等や取組事例の展開を通じて、働き方改革の取組を促進するため、平成 30
年度までの「教育委員会における学校の業務改善取組状況調査」を抜本的に見直し、令和元
年度から「教育委員会における学校の働き方改革のための取組状況調査」を実施し、令和4
年 12 月に令和4年度の調査結果を公表した。調査結果としては、各教育委員会における、IC
カードやタイムカード等の記録による勤務実態の客観的な方法での把握は、都道府県及び政
令市は前年度と同じ 100%を維持し、前年度に比べ、市区町村は 93.3%(前年度 85.9%)ま
で伸び、適正な勤務実態の把握が全国的に進んでいる。引き続き、働き方改革のスタート地
点でもある客観的な勤務実態の把握が一刻も早く全国全ての都道府県・市区町村において行
われるよう、進捗状況をフォローアップしていく。
教育委員会や学校現場において取り組まれている働き方改革に向けた取組事例を広く展開
し、教育委員会や学校における実践につなげるため、全国の学校から集めた取組について削
減目安時間とともに記して分野ごとにまとめるとともに、GIGA スクール構想による一人一台
端末の普及に伴い、教職員の ICT 環境も大幅に整備が進むことを想定し、ICT 環境を活用し
た校務効率化の例についても紹介したり、実際に働き方改革に取り組む学校のドキュメンタ
リー映像を作成・公開したりするなど内容の充実を図っている。令和5年3月には、各学校
において自校の働き方改革の取組状況を把握し、更なる業務改善に活用できる「働き方改革
チェックシート」を新たに掲載するとともに、「事務職員による働き方改革」に焦点を当て
た特集や「学校・保護者等間の連絡手段のデジタル化導入のポイント」を追加した。

注 17)
「公立学校の教育職員の業務量の適切な管理その他教育職員の服務を監督する教育委員会が教育職員の健
康及び福祉の確保を図るために講ずべき措置に関する指針」(令和2年文部科学省告示第1号)
注 18)公立学校の教育職員に時間外勤務を命ずる場合は、いわゆる「超勤4項目」に従事する場合であって、臨
時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限られる。超勤4項目とは、①校外実習その他生徒の実習に
関する業務、②修学旅行その他学校の行事に関する業務、③職員会議(設置者の定めるところにより学校
に置かれるものをいう。
)に関する業務、④非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要
とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務をいう。

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