よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和4年度 我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況(令和5年版 過労死等防止対策白書) (239 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001156170.pdf
出典情報 令和5年版 過労死等防止対策白書(10/13)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

のを見たり持ったりしているか」
「自分も皆と同じ(幼少期も含む)体験を持っているか」
などが、子どものメンタル面にとって、とても重要になってきます。
その後の発達は割愛しますが、こういう内面的発達の流れを前提に、家族の過労死と
いう体験をすると、その時のショックだけでなく、後々様々なリスクを伴う経験になる
可能性が高くなることをご理解いただけると思います。
前述のとおり子どもはいろいろな概念を形成し、仲間から社会へと成長する時期です。
概念の中には、まだ見ぬ未来や人生、社会、会社も含まれますが、この時期の子どもは
まだ経験がないので、親たちの未来や人生、社会、会社への向き合い方、感じ方を通し


てその土台に組み込まれていきます。
そういった重要な概念形成の時期に、例えばお父さんが過労死したら・・・多くの子

4



どもにとって身近な人の死は未経験なので、はじめはうまく理解できないでしょう。
面してショックで混乱し、動揺し、嘆き、気づかなかった自分を責めて苦しみ悲しんで



過労死等の防止のための対策の実施状況

それでも徐々に、子どもにとって影響のある母親や周囲の大人たちが、父親の死に直



いる・・・という様子を見ることになります。



大人であっても、ショックや混乱が起きるのは当たり前ですからそれは防ぎようがあ




















りません。
大人たちのせいではないけれど、これは子どもにとって、未来や人生、社会や会社が、
「いつ何が起きるか解らない」
「ひどいところ」「母親を苦しめるところ」という概念に
なってしまったとしても、仕方のないことです。
加えて経済的な不安や混乱も起きるので、自分だけが友達とは違う状況になってしま
った不安や孤立感、無力感にさいなまれることも多いのです。
子どもたちの二次被害は最小限にとどめなくてはなりません。
私は普段は心理相談やコミュニケーションの指導が主な仕事ですが、以前は幼児教育
の場にも身をおいていたことがあります。その観点からも子どもたちの二次被害を防ぎ、
健全な発達を促すために何が必要かといえば、私は親自身の立ち直りを通して、子ども
たちに「だからあなたも大丈夫だよ」という安心を伝えていくことが一番だと考えてい
ます。
ひどい会社や世の中はあるけれど、健全な会社や世の中もある。残念ながらひどい出
来事にあうときもあるけれど、そういう出来事にあわないように気をつけながら生きて
いくことは可能なんだ。
そして生きていくことで自分にもたくさんできることはあるし、
自分で自分を幸せにすることもできる・・・と思えるようになることが、立ち直りなの
だと思います。
まだ社会を経験しない子どもにそれを伝えていくためには、言葉だけでは十分とはい
えません。これは子どもにとって一番大きい影響力を持つ、母親の生きざまを通して伝
えるということになると思います。

231
231