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参考資料 (142 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44232.html
出典情報 ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会(第7回 10/10)《厚生労働省》
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■産業医による面談の実施事例
定期健康診断時に職業性ストレス簡易調査票を用いたストレスチェックを実施し定期
健康診断結果とストレス度の評価について通知し、引き続いて産業医面談を実施した
事例を以下に示します。6
【事例①

40 歳代前半

入社 20 年目の男性

エンジニア

家族は妻・子供 2 人】

<ストレスチェック>-判定:高ストレス
ストレスの原因として考えられる因子;働き甲斐、仕事適性度
<産業医面談>
7 月に管理職(マネジャー)に昇格。ほぼ同時期に規模の大きなプロジェクトの担当となり、急に仕事の量
が増え、責任が増大した。9 月頃から朝のしんどさを強く感じるようになり、休日も仕事のことが頭を離れな
いようになった。思考力・集中力・意欲も低下し、朝出勤時の気分の落ち込みも出現した。また、夜間の中
途覚醒が増加し、日中も眠気を自覚するようになり、月曜日に会社に行くのが特につらく感じるようになっ
た。上司にはだいぶ前に体調不良のことについて話したが、何ら具体的には対応してもらえず、現状はその
ことすら忘れているように思うとのことである。心配した家族の勧めで最近心療内科を受診し、睡眠導入剤
の処方を受け始めた。明日再度受診する予定になっているという。
産業医としては、高ストレスであり、心身の症状もあることから、今後上司も交えた面談が必要と考え、
本人の同意を得た上で就業上の配慮と、当日人事労務担当部長に就業に関する主治医からの意見書の必要性
の検討について連絡した。現時点では業務用車両の運転もあり、この段階ではできるだけ控えるように本人
に伝えた。人事労務担当部長も速やかに就業上の配慮の必要性を認識し、人事労務担当部長の依頼で健診当
日に産業医から本人にこれを説明し、主治医の就業に関する意見書の提出を求めた。
<その後の経過>
主治医の診断は、
『適応障害』で、主治医の就業に関する意見書が本人と上司を経由し、人事労務に提出さ
れ、速やかに産業医面談を実施することとした。面談の結果、産業医より、下記①~③の内容とともに、残
業については深夜勤務は避け、可能な限り少なくするよう人事労務担当部長に助言した。これを踏まえ人事
労務として本人に対しては以下の①から➃の配慮を、組織に対しては人員増加の対応をとる方針をうちだし
た。
① 大きなプロジェクト担当から外すこと
② マネジャー職を外すこと
③ 業務車両の運転については制限すること
④ 就業時間については、規則正しい睡眠を確保するために、深夜勤務は不可とし、週 40 時間を
超える時間外休日労働時間を月 20 時間以内とすること(1 日当たり 2 時間以内)
その後、内服薬も調整され、睡眠時間及び中途覚醒も消失し、気持ちも楽になったとの本人からの声も聞
くことができ、現在就業は継続し、症状は回復に向かっている。

6

(参考)「産業医のストレスチェック面接指導入門」(2018.4)~高ストレス者に対する面接指導視聴覚教材~
(https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/johoteikyo/tabid/1294/Default.aspx)

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