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参考資料 (161 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44232.html
出典情報 ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会(第7回 10/10)《厚生労働省》
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【集団的分析の方法と結果の活用方法②】
オフィスでの管理監督者および従業員参加型検討会による職場環境改善
ストレスチェックから職場環境改善へ
B社(従業員約 45000 人)では、
「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づき「全社心の健
康づくり方針」を事業本部長名で表明し、活動施策のひとつとしてストレスチェックの実施と職場環境改
善活動の実施が位置づけられています。また、活動の推進は、産業保健スタッフ等、人事労務部門、安全
衛生部門が連携して行います。事業所としての取り組みの結果は、本社安全衛生委員会に報告されていま
す。ここでは、オフィス主体の 1000 人規模の事業所で行われた職場環境改善活動について紹介します。
ストレスチェックの調査票として、職業性ストレス簡易調査票のほか、組織活力調査票から組織活力と
組織資源に関する尺度を用いて、毎年調査を実施しています。職場環境等の把握のため、この結果を産業
保健スタッフ等が集計・分析し、課単位の結果は課の管理監督者へ、部単位の結果はその部の部門長へ報
告します。人数の多い課へは、年代別、職位別などに分けて集計し、集団の特徴をつかみやすいよう工夫
しています。また、事業場単位の結果は、人事労務部門、安全衛生部門と共有しています。結果を所属長
へ渡す際には、尺度の見方と職場環境改善の進め方、ツールの使い方に関する教育研修を行っています。
職場環境改善活動とその効果
対策の立案と実施は、主に課単位で管理監督者を中心として行われます。活動の評価のため、事業所の
推進担当者が、年度末に各職場の対策内容と実施状況、今後の見通しを確認しています。管理監督者によ
り行われる対策の例としては、会議の目的や参加者の見直し、自主的な勉強会の実施などがあります。
希望する管理監督者へは、産業保健スタッフ等から助言・指導および従業員参加型の職場環境改善検討
会を実施するための支援を行っています。助言・指導では、産業保健スタッフ等が管理監督者から職場の
状況を聞き取り、ストレス調査の結果の読み方や対策のポイントを提案し、具体的な手順を整理する手伝
いを行っています。従業員参加型の職場環境改善検討会では、基本的にほぼすべての所属従業員が参加し
て意見交換を行うこととしています。産業保健スタッフ等は、管理監督者との事前打ち合わせ(30 分)

検討会での参加者への趣旨の説明(30 分)
、グループ討議におけるファシリ-テーション(60 分)
、討議
結果の全員での共有(30 分)の支援を担当し、また計画立案後も、管理監督者から所属従業員へ対策内
容の周知と推進を支援しています。
検討会を実施した職場(全体の約 2 割)のほとんどで、翌年に組織活力が向上し心身のストレス反応が
低下しました。また上司の支援などの得点が改善していました。管理監督者への助言・指導のみの職場
(約 3 割)では、職場によって結果がばらつく傾向にありました。
本事例のポイント
産業保健スタッフ等が集計・分析したストレスチェックの結果をもとに、事業場の推進担当者がその進
捗を管理しながら、管理監督者を中心として職場環境改善を組織的に進めている事例です。管理監督者へ
の助言・指導を行う際、産業保健スタッフ等の知識と経験のみでは対応が難しいケースが多く、人事労務
担担当者との連携が必要になる場合もあります。今後は参加型の検討会をより多くの職場へ展開するこ
とを目標とし、推進者の育成やツールの活用に取り組んでいます。

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