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参考資料3 薬剤師確保のための調査・検討事業 報告書(令和3年度厚生労働省医薬・生活衛生局総務課委託事業) (125 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_26758.html
出典情報 医薬・生活衛生局が実施する検討会 薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会(第12回 7/13)《厚生労働省》
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均して 1 年あたり約 50~60 万円を 15 年ほどかけて返済していること32、奨学金の返済支
援を受けていない割合が約 8 割と高いこと33が把握された。この奨学金返済金額の大きさ
と、勤務にあたり重視することの上位に給与水準が挙げられていること(病院薬剤師:2
位、薬局薬剤師:1 位)34、ヒアリング調査において病院関係者を中心として給与水準の向
上を課題として挙げる意見が複数あげられた35ことを考慮すると、この病院と薬局の特に
20~30 代における給与水準の格差が、病院において薬剤師不足が生じている大きな要因
の一つとなっていると考えられる。このことにより、特に病院業務での経験年数をそれな
りに得た 30 代で、子育てなどのライフイベントに応じて個人として多くの資金が必要と
なる時期に、離職する意向が強まることが想定される。

○働き方への対応
女性の薬局薬剤師の年齢構成は 30 代後半で割合が低くなった後、40 代以降で再び高く
なるという、いわゆるM字カーブの形状が読み取れたが、女性の病院薬剤師では 25~29 歳
でピークを迎えた後、構成割合が低くなり続け、同様な傾向はみられなかった36。このこ
とから、薬局では、病院と比較すると産育休の後、復職が実現できている割合が高いこと
がうかがえる。この理由として、薬局の方が勤務時間などが柔軟に設定されていることが
多いことが考えられた。
また、女性の病院薬剤師と薬局薬剤師の非常勤での勤務割合を比較すると、薬局薬剤師
の方が高く37、薬局の方がより柔軟な働き方への対応が取りやすい状況にあることが読み
取れる。

○キャリアプラン
病院薬剤師の年齢構成は 20 代の割合が最も高く、年齢が上がるに従い割合が低くなる
こと38が把握されたが、このデータから 30 代以降、病院において離職者数が入職者数を上
回っていることが読み取れた。
新卒で就職した先について、病院薬剤師(現在)のうち新卒で病院に就職した者の割合
が 81.6%であるのに対し、
薬局薬剤師(現在)では新卒で薬局に就職した者の割合は 44.6%、
新卒で病院に就職した者が 23.4%と、病院への新卒就職経験者が一定割合を占めていた39。
転職の希望については、病院薬剤師の方が薬局薬剤師よりも転職を希望する割合(「1 年

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薬剤師本人向けアンケート調査結果(図表 96、図表 97:問 1-15)
薬剤師本人向けアンケート調査結果(図表 94:問 1-16)
薬剤師本人向けアンケート調査結果(図表 88:問 2-2)
埼玉県病院薬剤師会、神奈川県病院薬剤師会、鹿児島県病院薬剤師会、青森県薬剤師会、日野記念病院、病院
B、職業紹介事業者 A 向けヒアリング調査結果
医師・歯科医師・薬剤師統計の個票データの分析結果(図表 7:業態別性別の年齢構成の分析)
医師・歯科医師・薬剤師統計の個票データの分析結果(図表 11:業態別性別勤務形態別年齢別の就業者構成
の分析)
医師・歯科医師・薬剤師統計の個票データの分析結果(図表 7:業務の種別にみる薬剤師の性別・年齢構成)
薬剤師向けアンケート調査結果(図表 73:問 1-11)

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