感謝され、プレアボイドできたケースなどを説明すると、学生からは「そんなこともできる
のか」「学校で習ったことが現場でも本当に起きるんだ」といった反応が得られた。

その他
大学主催の就職説明会は、基本的にその大学の学生実習を受けていたり、つながりのある
病院にしか声をかけない、などの課題を感じている。想像される理由としては、
「どこに声か
けてよいかわからない」
「すでに実習を受け入れている信頼感（実習先のほうが学生の就職率
が高い）があるから」
、「大学として、最終的にパンフレットに書ける就職先のブランドを意
識している」などがある。また、
「就職説明会に参加するなら実習を受け入れてほしい」と考
えて参加できる施設を選んでいる可能性もあるのではないかと考えている。
例えば子育てのことを考えると、自分の実家の近くに就職先を見つけるべきだと思うが、
このような点も含め、大学で就職指導を行う人が、学生に将来まで考えるよう働きかけてく
れると良いと考えている。

勤務状況の見える化を通じた業務効率化の取組
取組内容
○業務担当時間の見直しと、業務進捗状況を見える化
時間外勤務時間の削減による薬剤師の定着促進を目的として、業務の進捗状況を見える化
し、管理者がすでに業務が終了間際の薬剤師へ遅延している業務を割り当てることで、組織
全体の残業時間削減を目指す取組を行っている。
医師の働き方改革で看護師・コメディカルへの業務シフトが進むことで、看護師・コメデ
ィカルの業務が増加し、その効率化が必要になっている。このため、薬剤部のマニュアルを
見直し、勤務終了時間までに全ての業務を終わらせることを規定した。
規定する前は、日勤者が業務終了時刻（17 時）の直前の、16 時 59 分に依頼された処方箋
は、引継ぐ当直の負担を軽くするとの配慮のため、処理してから帰る慣習になっていた。こ
のため日勤者は 17 時で業務を終了することができない場合が多かった。
この改善のため、まず日勤のあとの当直を夜勤業務に変更するなどシフトの見直しを行い、
日勤者の業務担当範囲は 16 時 30 分までとして、その後は整理整頓業務とし 17 時には業務が
終わるようにした。
また、管理者がエクセルなどの管理表で見える化（担当業務の済・実施中等を入力）した
業務の進捗を一定時間ごとに確認し、手の空いた人に業務を割り振ることとした。
この取組は、本インタビューへの対応者が所属する病院での取組だが、病院薬剤師会とし
て理事会等を通じて取組の重要性を投げかけている。

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