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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (277 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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建物被害等

1.1 揺れによる建物被害
地震発生直後

1日後以降

○ 震度6弱以上の揺れにより、老朽化や耐震性の低い木造建物やビル・マンションの倒壊、中間階の

○ 余震などで強い揺れが発生した場合は、本震では倒壊に至らなかった建物が倒壊する3など、さら

圧壊が発生する。

なる被害拡大につながる可能性がある。









特に環状七号線や八号線沿線及び区部の東部、南部に広範に連担している木造住宅密集地域で
は被害が顕著である。

生直後においては、余震等による倒壊が懸念される建物の周辺で、通行人等に注意を促すこと

都心南部直下地震においては、約8万棟の全壊被害が発生するが、そのうち木造建築物が約7

すら困難となる可能性がある。

万棟を占める。また、全壊する建物の約8割は、昭和 56 年(1981 年)より前に建築された、い

○ 停電・断水した地域では、自宅の建物に被害がなくても、水やトイレの使用が困難となり、周辺の

わゆる「旧耐震基準」の建物である。なお、多摩地域においても、約5千棟の全壊被害が発生

公園や避難所等に仮設トイレが設置されるまで、被災者自身が携帯トイレなどで対応することを求

する。

められる。

都心南部直下地震などの M7クラスのプレート内地震は、都内のどの地域でも発生する可能性



高層住宅の中高層階では、停電によるエレベーターの停止などにより、地上との往復が困難と

があり、震源により各地域の震度分布が大きく変わる。このため、震源次第では、都内のどの

なるため、飲食料や携帯トイレなどの家庭内備蓄物資が枯渇した段階で、多数の避難者が発生

地域においても大きな揺れと多数の被害が発生する可能性があるが、特に区部東部から南部の

するおそれがあるが、避難所での受入れは極めて困難になる可能性がある。


低地部においては地盤の関係で震度が大きくなりやすく、被害棟数が多くなる傾向にある。


行政機関及び関係機関のマンパワーの不足等により応急危険度判定は間にあわず、特に地震発

昭和 56 年(1981 年)以降の、いわゆる「新耐震基準」に基づき建てられた建物であっても、築

電力が復旧しても、保守業者による点検が終了するまでは、エレベーターが使用できないため、
その復旧が進捗せず、被災状況が長期化する可能性がある。

年数が古い建物は、経年劣化等の影響により全半壊し1、被害規模が増加する可能性がある2。
○ 木造住宅密集市街地など基盤整備が不十分な地域では、多数の建物倒壊が発生し、道路への倒れこ
み等により道路が閉塞され、被害状況の確認や救出救助、消火活動及び火災拡大時の避難行動が困
難となる。
○ 歴史的な、指定文化財等の建造物が倒壊する。


博物館・美術館、個人宅等で保管されている絵画・彫刻・古文書等の文化財が、揺れによる建
物の倒壊や、落下・転倒等により、失われる可能性がある。

1
2

平成 28 年熊本地震では、現行の耐震基準で建てられた木造住宅が倒壊しており、その要因として、2000 年基準による接合
部仕様の不備、地盤の変状、隣棟との衝突、シロアリによる建物の強度低下が指摘されている。
耐震等級3を取得した建物は、平成 28 年熊本地震において二度の震度7の揺れに耐えていることから、半壊以上の被害は
ほぼ発生しないと予想される。

5-6

3

過去、東日本大震災や 2005 年・2021 年千葉県北西部地震などの地震時に、比較的強い揺れとなった地域では、本震で脆弱
となった建物が余震で全壊している。

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