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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (305 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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生活への影響

5.1 避難者
地震発生直後~1日後

数日後~

○ 自宅の倒壊やライフラインの途絶に伴い、多数の住民が、避難所や、親戚・知人宅等に避難する。

○ 断水やスーパーやコンビニ等における生活必需物資の品切れが継続する中、自宅に留まっていた住



指定避難所等では、備蓄により飲用水が確保されるが、給水車による給水は限定的である。

民の家庭内備蓄が枯渇し、時間経過とともに避難所への避難者が増加し、4日から1週間後までの



区市町村が指定する学校等の避難所だけでなく、行政庁舎、文化ホール等の公的施設や公園、

間に避難者数が最大約 299 万人となる。

空地など、避難所に指定されていない場所にも多数の避難者が避難する。



収容力を超える住民が避難した避難所においては、飲食料等の物資が不足する。



指定避難所以外にできた避難所を区市町村が把握できず、当初、飲食料等の物資が配給されない事態が発生する。



道路の渋滞や、鉄道の運行停止により、親戚・知人宅等へ移動できなかった者も避難所に避難

廊下や階段の踊り場等も避難者で一杯となる可能性がある。

して避難所が一杯となる。





○ 避難者が多数訪れ、収容力を越えた避難所では、当初予定していた体育館や一部教室だけではなく、

スーパーやコンビニ等の生活必需品はすぐに品切れとなるため、自宅の被害が少なく留まるこ

用できず、収容能力が想定人数より減少する可能性がある。


とができる住民や避難所外避難者、帰宅困難者等も、避難所へ飲食料を取りに訪れるため、避
難所の物資が早期に枯渇する場合がある。



を中心に、多数の住民が避難所等へ避難する。


○ 一時滞在施設の開設場所や混雑状況等がわからず、多数の帰宅困難者等が避難所等へ訪れることに



土地勘のない観光客等が、一時滞在施設等の開設場所や混雑状況等についての情報収集ができ

過密な状況やプライバシーの欠如、劣悪な衛生環境などを忌避し、避難所を出て、屋外避難す
る避難者が発生し始める。

ず、ホテル等の観光施設を多数訪れる可能性がある。

○ 非常用電源が配備されていない場合や、燃料が枯渇した避難所では、テレビやスマートフォンによ

○ 大規模な延焼火災や、急傾斜地の崩壊など、面的に甚大な被害が発生した地域では、地域の多くの住民等が避難する。

る情報収集や、照明、空調、避難所情報の管理に用いるパソコン等が利用できなくなる。


地域内の避難所が使えなかったり、収容不足になったりすることにより、周辺の避難所への避
難者が増加し、避難スペースや水や食料等の物資が不足する可能性がある。

パソコン等でデータを管理している場合、避難者数や避難者の安否、滞在場所、物資のニーズ
等の把握が困難となる。



停電や通信の途絶、周辺住民ではない避難者の出入り等により、正確な避難者数の把握や安否

テレビ等が利用できないほか、避難者の持つ携帯電話・スマートフォン等のバッテリーが切れ、
家族等との連絡や安否確認が困難となる65。

の確認、必要な物資の種類や量の把握が困難となる。


ごみ収集・し尿処理収集の遅れ等により、避難所の生活ごみやし尿が回収されず、避難所の衛
生状態が急速に悪化する64。

オフィス街や繁華街の周辺では、帰宅困難者や徒歩帰宅者が特に多く発生することから、水・
食料等の物資が不足する。



避難所に避難者が入りきれない場合、他の地域の避難所への受入れ調整が行われるが、広域的
に被害が発生しているため、受入れ可能な避難所の確保が困難となる。

より、収容力を超える避難所が発生する。



避難所の感染症対策のため、隔離やフィジカル・ディスタンス確保の対応を徹底した場合、避
難所の収容力が想定よりも少なくなり、避難所不足が深刻化する可能性がある。

○ 移動するために必要な車両や車いす、担架等がなく、要配慮者が避難所に避難できない可能性がある。



自宅周辺の避難所に入りきれない避難者が、自宅とは別の地区の避難所に移動し、周辺の避難
所も収容力を超過する。

○ 余震が続いた場合は、自宅の建物被害等がなくても、不安等から単身高齢者や中高層階居住者など



天井等の落下や窓ガラスの飛散、設備の損壊等により、事前に想定していた避難スペースが利



避難所までの経路で火災に遭遇する、避難所が延焼火災に巻き込まれるなどにより、避難者に
人的被害が発生する。

夜間は真っ暗となり、また暖房・冷房が機能しない状況下での避難生活を余儀なくされる。

○ 避難所に避難していた医療関係者による看護や、避難所医療救護所の医師・看護師により負傷した

○ 被害の大きな地域では、自治体職員や学校職員、町会・自治会役員等、避難所の運営に携わる人も

避難者の応急手当が実施される。

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被災し、避難所の開設や運営が困難となる可能性がある 。

○ 冬は寒く風邪やインフルエンザ等がまん延し、夏は暑く衛生上の問題が発生するなど、避難所での

○ 引火性、可燃性、毒劇性の危険物(液体、ガス)等を扱う施設に被害があった場合は、それらの漏

生活環境が悪化する。


洩により、周辺住民等の避難が必要となる。
○ 家族・知人の捜索や、自宅の片付け、貴重品等の持ち出し等のために一時帰宅した際に、強い余震が発生す

停電等で空調が使えない場合、体調不良者が増加し、体力のない高齢者や乳幼児等は、最悪の
場合、死亡する可能性がある。

ると、本震で脆弱化していた建物の倒壊、急傾斜地の崩壊等により、死傷者が拡大する可能性がある。

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地域住民等が主体となり、避難所運営委員会等が設置されている地域では、事前の取決め等に基づき、地域住民主体で避難
所の開設や受入れ、避難スペースへの誘導等が行われる。
阪神・淡路大震災では、断水により水洗トイレが利用できなくなり、避難所のトイレや、庭、側溝などに糞便の山ができ

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た。避難所からは、弁当がらや、カップラーメン等の容器など大量のごみが出され、ゴミ捨て場だけでなく運動場等にまで
積まれた。
災害用の手回しラジオ等があれば、被害状況等の情報収集が可能である。

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