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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (311 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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5.4 要配慮者
地震発生直後~

1日後~

1か月後~

○ 要配慮者は、自力では発災時の家具等の転倒や落下物への回避行動がとれなかったり、寝たきりの

○ 避難所の混乱などにより、個々の要配慮者の状況に応じた支援が困難

○ 応急仮設住宅等に入居

状態であったりして、火災や津波に巻き込まれやすく、また、避難所への避難も困難なため、支援

となる。

できた要配慮者等75が、

を得られない可能性もあり、多数死傷する。



区市町村が指定する避難所が、比較的素早く避難行動をとること

バリアフリー面での不

ができる健常者で満杯となり、要援護者等の避難先が不足する可

便等に直面する可能性

能性がある。

がある。



最大死者数は約 6,100 人、負傷者数は約 93,000 人であり、死者数については、6割程度にあ
74

たる約 3,900 人が要配慮者であると想定される 。




地域コミュニティとの交流が希薄で、行政や町会・自治会などから避難支援が必要な対象者と
して把握されていない要配慮者は、避難できず、火災等に巻き込まれる可能性がある。



乳幼児、高齢者等の多様な避難者のニーズに対応した物資が不足

○ 避難所から応急仮設住

する可能性がある。

宅等への移転に伴い、

避難所へ避難できず、公的な避難所以外の場所や自宅に留まって

避難所で形成されてい



保護者の被災や移動困難のため、保育園等での乳幼児の引き取りが困難となる。



特別養護老人ホーム・デイケアサービス施設、保育園・幼稚園等、多くの要配慮者が生活する

生活する要配慮者の存在が行政から認識されず、必要なケアが行

たコミュニティや助け

社会福祉施設等が倒壊した場合、多数の死傷者が発生する。

き届かなくなる。

合いが継続できず、単

介護職員や意思疎通支援者(通訳者、手話通訳者、要約筆記者等)

身高齢者などの避難者

が不足し、健康相談に対応できない。

が孤独や不安を感じ

段ボールベッド等、要配慮者の避難所生活環境改善に資する物資

る。



○ 避難行動要支援者等が、介護・看護施設等の福祉避難所へ避難する。


要配慮者のうち避難行動要支援者は、自力での避難や危険が迫っていることの認識が困難であ


り、一人では避難先へ避難できない可能性がある。


介助者等がいたとしても、発災時においては、車両、担架等の資機材も不足するため、避難誘

が不足する。


導が困難となる。



自宅に留まった被災者や、非常用電源の配備されていない避難所

応急仮設住宅での生活

施設が被災している場合や、避難希望者が多数となった場合、福祉避難所の収容能力を超える

の避難者は、真夏や真冬の発災時においても、冷暖房が使用でき

不活発な状態で長期間

可能性がある。

ず、特に、高齢者や乳幼児等の体調不良者が増加し、体力のない

過ごした結果、心身機

多数の避難者への対応のため、福祉避難所となる介護施設の入所者への支援を行うマンパワー

高齢者や乳幼児等は、最悪の場合、死亡する可能性がある。

能が低下し、体調や要

体調を崩し、持病が悪化して、震災関連死に至る人が多くなる可

介護度が悪化し、震災

能性がある。

関連死に至る可能性が

乳幼児食がアレルギー対応でない場合、アレルギーを持つ乳幼児

ある。



が不足し、健康面での不安や精神的ストレスが生じるおそれがある。
○ 地震によってライフラインが停止すると、人工呼吸器や在宅血液透析等で在宅医療を受けている人



の生命維持が困難となる。また、自宅で日常生活をサポートする電動介護用ベッドなどの器具等が
利用困難となる。

等が配布される食事を食べることができない。


○ 日本語が不自由であったり、地震に関する知識が少ない外国人や観光客等が、発災時に適切な避難
行動をとれずに火災等に巻き込まれる。


○ 要配慮者が、避難所や

土地勘のない観光客が、避難場所にたどり着けずに火災等に巻き込まれる。

○ 外国人や障害者などの

要配慮者の健康や精神面から、プライバシーの保護や衛生面での

要配慮者が、生活再建

ケアが、健常者以上に必要となる。

支援金等の支援制度の

○ ライフライン停止の継続によって、自宅で医療機器等の利用が困難と

存在を認識できなかっ

なったり、人工透析患者等が病院等においても十分な治療を受けられ

たり、相談に行けない、

なくなったりして生命維持困難になる。また、自宅で日常生活をサポ

制度が理解できない等

ートする電動介護用ベッドなどの器具等の利用が困難となったりす

により、有効に活用す

る。

ることができない可能

○ 道路の寸断等により、支援物資の円滑な供給が困難となった場合、飲

性がある。

料水や食料、医薬品等が不足し、体力のない要配慮者や有病者が体調
を悪化させる。
○ 高層ビルやタワーマンションにおいて、要介護認定者、身体障害
者、難病患者、乳幼児、妊産婦など、階段での移動が困難な人が、
地上に逃げ出すことができないまま中高層階に取り残され、ショッ
クや不安等から体調不良となり、最悪の場合、震災関連死に至る可
能性がある。

74

阪神・淡路大震災における要配慮者の死亡リスクは全体の3倍程度であった(神戸市における平均死者率 0.3%に対して、
要配慮者の死者率は 0.97%)


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75

応急仮設住宅等(マッチング方式の賃貸型応急住宅等を含む)は要配慮者等に優先的に供給される。

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