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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (308 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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5.2 帰宅困難者
地震発生直後

地震発生直後

○ 公共交通機関が広域的に運行を停止し、都内で最大で約 453 万人が帰宅困難者となる。勤務先や通



道路の近傍で大規模火災が発生し、輻射熱等により帰宅困難者等の移動が困難となる。

学先、宿泊先等へ移動しようとする人々や、そうした滞在先が近くにないため、徒歩や自転車等で



断水等により、公共施設やコンビニ等のトイレが利用できなくなる。

自宅に帰ろうとする人々で道路が混雑するとともに、滞在先のない多くの人が屋外に滞留する。



スーパー・コンビニ等は、被災により発災直後から閉店し利用できなくなったり、営業を継続



行政からは、勤務先や通学先、宿泊先等や一時滞在施設などに留まるよう呼びかけが行われる

していても、早期に飲食料や電池、ウェットティッシュ、下着などの生活用品等の在庫がなく

が、通信の途絶等により家族の安否が確認できず、多くの人々が徒歩や自転車等で自宅に帰ろ

なる。

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うとする 。



滞在可能な一時滞在施設69について、帰宅困難者に対して適切な情報提供が行われない場合は、

困難者が多数発生すると予想される区部のオフィス街や繁華街の周辺では、地元住民のための

自宅に帰ろうとする人が一層増加する。

避難所に帰宅困難者が殺到する72。


滞在先のない帰宅困難者が、一時滞在施設に多数殺到し、地域によっては収容しきれずに周辺
が混乱する可能性がある。




一時滞在施設周辺の事業所や学校が被災した場合は、それらの施設に留まることが見込まれた

○ 携帯電話の基地局の被災や通信の輻輳などにより、通話はすぐにできなくなり、さらに時間ととも

帰宅困難者の行き場がなくなり、一時滞在施設の需給がさらにひっ迫し、周辺が一層混乱する。

に、携帯電話のメールなども機能しづらくなり、安否確認等が困難になる。

自宅等に帰ろうとする帰宅困難者が、飲食料のみを取りに一時滞在施設に殺到し、備蓄物資が




高層オフィスビルなどでは、窓の開閉ができない場合が多く、夏季の発災などで停電により空

○ 電気や水道などのライフラインの途絶により、一時滞在施設で滞在を継続することが困難となる場

鉄道に乗車中に被災した人は、直近の駅まで誘導され、駅構内にいた利用者とともに駅舎内に

合がある。

留まる70が、駅舎のスペースに限りがあるため、収容力を超えた場合は、その周辺にあふれ出し、



滞留する。

被害が甚大な地域等では、運営職員や施設に被害が出た場合、一時滞在施設として開設できな
くなる可能性がある。



○ 自宅や滞在先等へ移動しようとする人々や屋外に滞留する人々で道路上が混雑し、救命・救急活動、
消火活動、緊急輸送活動等に著しい支障が生じる。

非常用電源が整備されていない、もしくは、整備されていても燃料が十分でない一時滞在施設
では、停電により、テレビや電話等の設備が使用できず、情報が寸断されるとともに、空調が

徒歩帰宅者等が、歩道だけではなく車道にもあふれ出し、特に路上駐車の車両があると、さら

停止し、季節によっては滞在を継続することが困難となる。

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公衆電話が大幅に減少しているため、残された公衆電話には、東日本大震災当時以上の長蛇の
列が発生する。

設利用者等が路上にあふれ出す。



災害用伝言ダイヤル 171 に多数の安否登録がされるが、利用が急増し、システムの容量を超え
た場合、それ以上の登録ができなくなる73。

調が停止した場合は、建物に被害がなくてもビル内に滞在することが困難となり、従業員や施


トイレが利用できる場合でも、長い列ができる。SNS 等でその状況が発信されると、さらに人々
が集まり、大混乱となる可能性がある。

早期に枯渇する可能性がある。


避難所に地域住民や帰宅困難者が入り混じり、混雑により避難所運営が混乱する。特に、帰宅

に走行車線側にあふれ出すため、自動車の通行を妨げ、渋滞が助長される 。



断水の影響がある場合、非常用トイレの備蓄が不足した施設では、トイレが利用できない。

停電により、夜間は街灯が消え、真っ暗な状況となり、信号が作動せず特に交差点等で人と車



施設管理者等により、帰宅困難者への情報提供が行われるが、通信手段の途絶や、施設の管理

両の大混雑が発生する。

者のマンパワー不足等により、十分に情報提供が行えない可能性がある。

○ 余震による広告等の看板の落下や、延焼火災、群集雪崩等の二次災害に帰宅困難者が巻き込まれる。


様々な二次災害の発生により、さらなる死傷者が発生する可能性がある。



沿道建築物や工作物の倒壊等により道路閉塞が増大し、自宅や滞在先等へ移動しようとする

○ 公共交通機関の運休等により、保護者が保育園等に子供を迎えに行くことが困難となる。

人々が行き場を失う。

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山手線の主要な駅とその周辺事業者で「帰宅困難者等対策協議会」が立ち上げられている。
都・区は民間施設と協定して、支援体制を講じている。
大阪府北部地震においては、地震後に様子見をしていた人のうち4割程度の人が駅構内で、また、2割程度の人が駅周辺に
いたとの調査結果がある。ただし、上記地震では駅舎等に被害が少なかったために駅構内に留まることができたが、駅舎が
被災した場合は駅舎外に誘導される可能性がある。
内閣府の「首都直下地震の被害想定と対策について~施設等の被害の様相~」
(平成 25 年)では、
「徒歩帰宅者が車道にあ

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ふれ、自動車の通行を妨げること等により、渋滞が助長される」と想定されている。
内閣府の「首都直下地震の被害想定と対策について~施設等の被害の様相~」
(平成 25 年)では、
「公立学校等、地元住民
のための避難所に帰宅困難者が殺到し、避難所運営が混乱したり、避難所において、避難者と帰宅困難者の区別がつけられ
ず混乱する」ことが想定されている。
内閣府の「首都直下地震の被害想定と対策について~施設等の被害の様相~」
(平成 25 年)では、
「災害用伝言ダイヤル
171 は容量に限界があるため、利用が急増し、登録件数が増加すると、機能しなくなる。
」と想定されている。

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