首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (278 ページ)
出典
公開元URL | https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html |
出典情報 | 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》 |
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地震発生直後
1日後以降
○ 都心南部直下地震では、東京湾岸の埋立地や河川沿岸部等の地域を中心に、液状化によって大きく
○ 液状化により停電・断水した地域では、自宅の建物に被害がなくても水やトイレの使用が困難とな
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傾く など約 1,500 棟の居住困難な全壊被害が発生する。多摩地域においても、約 50 棟の全壊被害
り、周辺の公園等に仮設トイレが設置されるまで、避難所等へ多数の被災者が押し寄せる。
が発生する5。
高層住宅の中高層階では、停電によるエレベーターの停止が継続し、地上との往復が困難とな
沈下量は最大でも 10cm 未満と想定されているが、特に5cm 以上の沈下が発生した場合などは、
るため、飲食料や携帯トイレなどの家庭内備蓄物資が枯渇した段階で、多数の避難者が発生す
住宅の傾斜に伴う出入りの困難や、電柱の沈下や傾倒による架線の切断、停電や断水、ガス停
るが、避難所では収容しきれずに混乱する可能性がある。
止が発生するなど、継続的な居住や日常生活が困難となる。
地面から水があふれ出して、床下や地下では浸水被害が発生する。
道路の沈下や隆起、マンホールの浮き上がり等により交通に支障が生じる。道路下が空洞化す
○ 噴砂により地表にたまった泥砂が乾くと、強い風によって舞い上がり、呼吸への影響や視界不良な
ど、屋外での行動が困難となる。
ると大規模な陥没が発生し、被害がさらに拡大する可能性がある。
○ 沿岸部や河川沿いの範囲以外でも、水田や湿地等を埋め立てて宅地化した箇所で局所的に液状化し、
建物被害量が増大する可能性がある6。
○ 液状化の発生に伴い地盤が水平方向に数メートルも移動する「側方流動」が発生した場合、建物が
倒壊したり、海中や河川に水没するなどの被害が増大する可能性がある7。
構造物の基礎間でズレが生じるだけでも、大きな被害につながる。側方流動等による杭の破壊
で、高層建築が傾く不同沈下が起こる可能性がある。
○ 地下での土砂流出などにより、構造物の沈下や過大な変状をきたす可能性がある。
○ 河床で側方流動等が発生し、橋脚の傾斜や落橋等により、列車や車の事故、転落・多重衝突等が発
生したり、橋が通行不能となることにより、孤立する地域が発生する可能性がある。
○ 堤防が破壊、沈下した場合や水門が閉鎖できない場合、ゼロメートル地帯において地震洪水となる
可能性がある。
○ 幹線道路では、マンホール等地下埋設物の浮き上がり防止策が講じられているが、生活道路では、
ガス管や下水管など地下埋設物の浮き上がりにより、緊急通行車両の通行に支障が生じ、救出救助
や消火活動が困難となる。
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内閣府「災害に係る住家の被害認定基準運用指針(令和3年3月)
」によると、
「外観目視判定により一見して住家全部ある
いは一部の階が倒壊している等の場合、あるいは外壁又は柱の傾斜が 1/20 以上の場合、あるいは住家の床上1mまでのす
べての部分が地盤面下に潜り込んでいる場合が全壊に相当する」としている。
東日本大震災の際、千葉県浦安市(沿岸部の埋め立て地)
、利根川流域等において、住宅の沈下・傾斜、マンホールや配管
の浮き上がり、道路の隆起、噴水・噴砂等が発生している。
東日本大震災の際、千葉県潮来市等で、水田の埋立地における液状化被害が発生している。
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阪神・淡路大震災の際、地震動及び液状化によって護岸が数 m 移動し、護岸の背後地の地盤も海側に大きく移動する「側方
流動」が生じて、以下の被害が発生した。
・ケーソン岸壁の海側への移動により、コンテナクレーンなどの荷役施設が破壊された。荷役施設の中には地震動によって破
壊されたものもある。
・危険物施設は、特に臨海部(埋め立て地等)において液状化や側方流動の影響によるタンク傾斜、配管の変形・漏洩などの
被害を受けたが、タンク倒壊など重大な被害は発生しなかった。
・神戸市の LPG 輸入基地において LPG 配管のバルブが変形し大量の LPG が漏洩、余震により漏洩量が増加したため、付近住民
に避難勧告が出されるという影響があった。
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