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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (290 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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2.7 震災関連死
地震発生直後

数日後~

1か月後以降

○ 地震によってライフラインが停止すると、

○ 高齢者や既往症を持つ人などが、避難所等の慣れ

○ 高齢者や既往症を持つ人などが、避難所等の慣れない環境での生活により、病状が悪化し、あるい

人工呼吸器や在宅血液透析等で在宅医療を

ない環境での生活により、病状が悪化し、あるい

受けている人の生命維持が困難となり、死

は、体調を悪化させて発症し、死亡する可能性が

は、体調を悪化させて発症し、死亡する可能性がある。
○ 仮設住宅での生活において、孤独感や慣れない生活環境による心身の不調や将来への悲観などから、

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亡する可能性がある。

自殺者が発生する場合がある40。

ある 。

○ 高齢者や既往症を持つ人の中には、地震発

 避難所で長時間座っていたり、車中泊が続い

生直後の揺れ等に驚き、ショックにより、最

て就寝時に心身にストレスがかかると、静脈

悪の場合、死亡する可能性がある。

血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)を発

○ 既往症を持つ人や高齢者、障害者などの要
配慮者が、避難所等へ移動する際に、肉体
的・精神的疲労によって体調が悪化し、死亡
する可能性がある36。

○ 避難所や仮設住宅で活動する職員、町内会長等の地域のコミュニティ組織の関係者が、被災者支援
のストレスから、体調を崩したり、自殺を図る場合がある。
○ ボランティア活動の最中に、がれきの処理等で負傷し破傷風を発症したり、解体現場でほこりを吸

症し、治療が遅れた場合は死亡する場合があ

い込む等により肺炎を発症し、悪化した場合、死亡する可能性がある。

る。

○ 地震後に台風や大雨が発生した場合は、地震により脆弱化した建物が倒壊したり、崩れやすくなっ

 避難生活中に、水不足や歯ブラシ等衛生用品

ていた斜面が崩壊して、死傷者が発生する場合がある。

の不足等から、口腔内に病原菌が発生するこ
とで誤嚥性肺炎を発症し、治療が遅れた場合
は死亡する場合がある38。
 避難所の衛生環境が悪化した場合に、体力の
ない高齢者や子供を中心に、インフルエンザ・
新型コロナウイルス・ノロウイルス等の感染
症がまん延する可能性がある。
 避難所の清掃が行き届かず、ほこりが舞うこ
とによって気管支炎を発症し、特に喘息等の
既往症を有する人は症状が悪化する可能性が
ある。
 避難所で配布される弁当等の食料を、自ら保
管して時間が経過してから食べた場合に、食
中毒を発症する場合がある。
○ 医薬品や酸素ボンベ等の医療資機材を必要とす
る在宅の治療者が、停電による操作不全や物資不
足や道路交通事情による物資の到着遅れにより、
死亡する可能性がある39。
○ 既往症のために通院して治療を受ける必要があ
る人が、病院の機能停止により治療を受けられな
かったり、電車の運行停止、道路の渋滞等により、
病院に通院できない可能性がある。

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復興庁「東日本大震災における震災関連死に関する報告」(2012)によれば、岩手県・宮城県における震災関連死者 664 名の
うち 21 名が避難所等への移動中の疲労で死亡した。
過去の震災では、震災関連死と認定された被災者の6割以上が既往症(要介護認定、薬服用等)を持っていたことから、こ
れらの被災者は関連死に至るおそれがある。
阪神・淡路大震災における関連死の原因として最も多いのが肺炎であり、極端な水不足による歯磨きの困難や、義歯を紛失
した結果、誤嚥性肺炎を発症したケースも多いと考えられている。

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平成 16 年新潟県中越地震の際、医療用酸素ボンベを使用していたが、道路の途絶で補充できない被災者に、消防団が医療
用酸素ボンベを届けている。
厚生労働省「東日本大震災に関連する自殺者数(令和4年分)

(https://www.mhlw.go.jp/content/202201-shinsai.pdf)
によれば、東日本大震災の発生年(平成 23 年)の自殺者数は 55 人、令和3年で6人となっており、合計で 246 人である。
(暫定値)

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