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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (323 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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8.3 超高層オフィスビル街

8.4 湾岸部の埋立地(タワーマンション街)

地震発生直後

地震発生直後

○ 大手町・丸の内や西新宿等の超高層オフィスビル街では、膨大な滞留者への救助活動や避難誘導、

○ 震度が大きくなくても、長周期地震動が発生した地域では、中高層階を中心に、歩いたり動いたり
することが困難となる、船に乗っているような揺れが長く続き、特に高層ビルの上層階では、著し
く大きい揺れによって、屋内にいる人が転倒したり、収容物の移動・転倒に巻き込まれ、死傷者が
さらに増加する96。
 長い時間、徐々に揺れが大きくなることで、屋内にいる人が不安に感じ、パニックになる場合
もある。
 固定されていない本棚等が転倒したり、キャスター付きの椅子や家具、ピアノ、コピー機等が
大きく移動し、人に衝突する可能性がある。
 長周期地震動による強い揺れや、停電のため、エレベーターが停止し、高層階の負傷者の救出
作業が困難となる。
 長時間にわたり揺れが増幅されるため、避難者が非常階段等で移動することが困難となり、階
段で転倒し、負傷する可能性がある。
 高層階の防火設備や消防用設備に、誤作動や作動不良が発生する可能性がある。タワーマンシ
ョンの高層階で火災が発生し避難路が煙等で使えなくなった場合、はしご車も届かない可能性
があり、多くの人が避難困難になる可能性がある。
○ エレベーターの停止により、多くの建物で閉じ込めが発生する。このため、特に高層階の負傷者の
救助には長時間を要したり、孤立者が発生したりする。
○ 停電した場合、空調、上下水道、エレベーター、照明機器等が停止する。
 特に中高層階の住民はエレベーターの停止によって、地上まで降りることが困難となるため、
避難所等で物資を受け取ることができず、停電・断水した不便な生活環境の自宅で在宅避難せ
ざるを得ない者も発生する。また、管理組合等による備蓄量の少ないマンション97では、その
影響が大きい。
 マンション内の排水管等の修理が終了していない場合、水道の供給が再開されていてもトイレ
が利用できない。
 エレベーターが復旧しない状態で家庭内備蓄が枯渇した場合、自宅に留まり続けることが不可
能になり、さらに多くの避難者が発生し、周辺の避難所が飽和状態となる。
 夏季の発災の場合、停電に伴い空調が停止し、猛烈な暑さによって建物内に滞在し続けること
が困難となる。また、エレベーターの停止により、地上への避難に時間がかかり、熱中症患者
が発生する可能性がある。
○ タワーマンションでは、建物に大きな被害が発生しない場合でも98、液状化等によって、インフラ
やライフラインに被害が生じ、日常生活に戻るまでに長い時間を要する。
 非木造建物が多いため、建物倒壊による道路閉塞は発生しにくいが、液状化による道路の陥没
や地下埋設物の浮き上がりにより、救出救助活動や、在宅避難している住民が物資等を運搬す
る車両の通行に支障が生じる。
○ 管理組合の活動が不活発なマンションでは被災後の対応等の意思決定に時間を要し、住居の修繕等
が遅れる可能性がある。

大量の帰宅困難者への対応等が必要となるが、対象者数が多いため、混乱が生じ、施設管理者だけ
では避難誘導等が困難となる。


日本語が不自由な訪日外国人や土地勘のない都外からの観光客等の来街者への避難誘導等に時
間がかかるなど混乱が発生する。

○ ビル内の多数の就業者や利用者が屋外にあふれ出し、行き場のない人が多数滞留する93 94。


夏季の発災の場合、停電に伴い空調が停止し、猛烈な暑さによって建物内に滞在し続けること
が困難となり、ビル周辺にさらに多くの滞留者が発生する。



エレベーターの停止により、地上への避難に時間がかかり、熱中症患者が発生する可能性があ
る。



滞留者が通路や道路上の限られた空間に殺到し大混雑が発生、群集雪崩等につながる。

○ 路上にあふれ出した多数の人が、一時滞在施設や避難所に殺到したり、徒歩で帰宅を開始したりす
ることなどにより、救出救助活動や消火活動、避難所運営等に支障が発生する。
○ 震度が大きくなくても、長周期地震動が発生した場合、中高層階を中心に、歩いたり動いたりする
ことが困難となるほどの、船に乗っているような大きくゆっくりとした揺れが長く続く。


特に高層ビルの上層階では、著しく大きい揺れによって、屋内にいる人が転倒したり、収容物
の移動・転倒に巻き込まれ、死傷者がさらに増加する95。



長い時間、徐々に揺れが大きくなることで、屋内にいる人が不安に感じ、パニックになる場合
もある。



固定されていない本棚等が転倒したり、キャスター付きの椅子や家具、ピアノ、コピー機等が
大きく移動し、人に衝突する可能性がある。



長周期地震動による強い揺れや、停電のため、エレベーターが停止し、高層階の負傷者の救出
作業が困難となる。



長時間にわたり揺れが増幅されるため、避難者が非常階段等で移動することが困難となり、階
段で転倒し、負傷する可能性がある。

○ エレベーターの停止により、多くの建物で閉じ込めが発生する。このため、特に高層階の負傷者の
救助には長時間を要したり、孤立者が発生したりする。
○ 揺れにより防火設備や消防用設備の誤作動や作動不良が発生する可能性がある。ビル高層階で火災
が発生し避難路が煙等で使えなくなった場合、はしご車も届かない可能性があり、避難が困難にな
る人が多数発生する可能性がある。

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ビル内で水・食料や情報伝達手段などを確保している一部のテナントでは、従業員や来街者を一時的に待機させることで、
周辺の混雑や混乱防止に寄与する。
一部のビルでは、発災後から建物の概観や構造を確認する等、安全性を担保する取組を準備しており、早期に安全が確認で
きた場合、ビル内に従業員利用者を受け入れることが可能となる。
超高層建築物内で長周期地震動を感じた場合には、部屋の中で振り回されないよう、身の安全を確保するとともに、体が移
動しないよう手すり等につかまることが重要となる。

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超高層建築物内で長周期地震動を感じた場合には、部屋の中で振り回されないよう、身の安全を確保するとともに、体が移
動しないよう手すり等につかまることが重要となる。
3階層あるいは5階層ごとに共用の備蓄倉庫を設置し、1週間程度の生活継続に取り組んでいるマンションもある。
東日本大震災で、液状化による被害が大きかった浦安市においても、
「公共及び民間の大・中規模建築物は、その殆どが支
持杭又は摩擦杭で施工されていたことにより、建築物本体には大きな被害は発生しなかった」ことから、直下型地震である
都心南部直下地震で想定される液状化の場合、タワーマンションの建築物本体には被害が発生する可能性は高くないと考え
られる。

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