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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (324 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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8.5 木造住宅密集地域

8.6 江東デルタ地帯

地震発生直後

地震発生直後

○ 区部西部から南西部にかけての環状七号線と八号線の間を中心とする地域や区部東部の荒川沿いの

○ 液状化に伴うインフラやライフラインの被害、タンクの浮き上がり等に伴う通行支障等のため、地

地域は、木造住宅密集地域が大規模に連担しており、建物倒壊が多く発生する可能性があり、その

域内での生活が継続できなくなり、多くの人が地域外へ避難する。

後に火災延焼被害を受けやすい。

○ 液状化に伴う地下埋設物の復旧作業は、道路や地面の掘削等が必要となるため、復旧に時間がかか

○ 木造住宅密集地域では、既存不適格である古い建物が多いため、地震時にはモルタル等の外壁がは

る。

がれ、平時よりも火災のリスクが高まる。

○ 堤防及び水門の沈下、強い揺れによる破損に伴い、ゼロメートル地帯が浸水する可能性がある。

○ 道路が狭隘なため、消防車両による消火が困難になる。初期消火しきれなかった火災が延焼被害に



地震発生時に水門が機能しなかった場合には、浸水被害が拡大するおそれがある。

つながりやすい。緊急通行車両が入れず、救出救助活動が困難となる。また、居住者の避難も困難



河川沿いの避難場所に避難者が避難している際に、想定を超える津波浸水が発生すると、多く
の人が巻き込まれて死傷者が発生する可能性がある100。

となる。
○ 倒壊建物や電柱の傾斜がある場合は、道路が閉塞し、逃げ遅れが生じる可能性が高まる。



大雨が降り急に水位が上昇すると、浸水被害が拡大する可能性がある。

○ 延焼火災となった地域では、他地域の火災が鎮火して消防力の応援が来るまで、又は広い幅員の道



浸水の発生やそのおそれがある場合、広域的な避難が必要となるが、救出救助活動を行う中

路や公園、耐火建築物などによって焼け止まりに達し、鎮火するまで数日を要する。

で、警察等が避難誘導を行うことは困難となる。また、地域外の避難所も避難者が避難してい

○ 延焼エリアの住民は避難場所に避難する。


る中、地域外の受入先の確保が困難となる可能性がある。

避難場所に指定されていない校庭や小公園等に避難した場合や、あらかじめ指定された避難場

○ 液状化や側方流動、津波等による浸水により、危険物の漏洩、火災の発生、地下埋設タンクの浮き

所に避難せず、小規模な避難場所に避難者が殺到して受入困難となった場合等には、火災に巻

上がり等が発生する。

き込まれる危険が生じる。


○ 地下に埋設された貯水タンクに漏れが発生したり、石油等が混入し、飲料水として使用できなくな

延焼地域の住民が、火災が継続拡大している間は避難場所から避難所へ移動できず、命を守る

る。

ため避難場所にとどまらざるを得なくなる。


避難場所には飲食料等の備蓄がないため、滞在し続けることが困難となる。



冬季の発災においては、降雨等に伴う著しい気温の低下が発生しやすく、避難場所に留まって
いる間に低体温症となり、死傷者が増加する可能性がある。



夏季の発災において、特に日中の避難場所は、日射しを避ける遮蔽物がない場合が多く、熱中
症になる避難者が多数発生する可能性がある。



木造住宅密集地域の居住者は高齢者が多く、避難場所での待機中に、体調を崩す等のリスクが
ある。

○ 再建に向けては、密集を改善するための新たなまちづくりに向けた協議が必要となる。


地域全体が被害を受けた結果、住民等が地域外に避難し、協議が進まず地域全体の再建が遅れ
る99。

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「復興まちづくり訓練」を実施している区市町村や、事前に被災後の基本的な方針等を決めている地域が 70 地区以上あ
り、それらの地域では、比較的円滑に再建に向けた協議等が進むケースがある。

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都は荒川、江戸川、多摩川の河川敷などで、被害想定の対象となる地震の津波が浸水してくるエリアは避難場所の指定を
削除している。

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