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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (279 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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1.3 急傾斜地崩壊による建物被害
地震発生直後

1日後

数日後

○ 土砂災害警戒区域及び山腹崩壊危険地区などでは、揺れに伴う斜面崩壊(急傾斜地の崩壊)が発生

○ 崩落した土砂が河川(河道)に流れ込み、河

○ 余震等により、さらなる急傾斜地の崩壊が発

し、建物被害が発生するとともに、周辺に大量の土砂が堆積することにより、道路や鉄道の寸断・

川が閉塞する可能性がある。

生する可能性がある範囲では、地域内の全て

崩壊による集落の孤立や、河川の閉塞が発生する。



河川閉塞の現場周辺が、水没する可能性

の住民が避難するため、周辺の避難所が不足

があるほか、堆積した土砂が決壊した場

又は混雑する可能性がある。



東京都では多摩東部直下地震において、最大被害が発生する想定である。

○ 土砂災害警戒区域及び山腹崩壊危険地区に指定されていない場所であっても、傾斜地や丘陵地、宅

合は、下流域で洪水被害が発生する可能

8

性がある11。

地造成地では、腹付け盛土 など宅地開発した際に行った盛土部分が局所的に崩壊した場合、住宅
被害、道路被害、ライフライン寸断等の被害が拡大する9。

○ 崩壊場所の周辺に居住していた住民の多くは、

○ 山間部の山腹が崩落することにより、人家が被災しなくても、土砂が(生活)道路に流れ落ちて通

再度の崩壊の不安などから自宅に戻れず、周辺

行不能となることに伴い、孤立集落が発生する。


の避難所等に避難する。

走行中の自動車が地震による落石や崩土に巻き込まれ、さらなる死傷者等が発生する。

○ 豪雨や梅雨期、台風シーズンなど降水量の多い時期や、長期間の降雨があった場合は、急傾斜地の
斜面が崩れやすくなり、地震発生時の崩壊による被害が拡大する可能性10がある。


発災前後に前震・余震が発生した場合や集中豪雨などが発生した場合、より大規模な崩壊や地
すべり、土石流の発生により被害が増大する可能性がある。

8

傾斜地や丘陵地を平坦にするために行った盛土の手法。これに対し、谷や沢を埋め立てる場合は「谷埋め盛土」という。以
下の注釈のとおり、地震に伴い崩れた事例がある。
9
国土交通省 HP「大規模盛土造成地の滑動崩落対策について」
(https://www.mlit.go.jp/toshi/toshi_tobou_fr_000004.html)
より、
「阪神・淡路大震災や東日本大震災等において、谷や沢を埋めた造成宅地又は傾斜地盤上に腹付けした大規模な造成宅地
において、盛土と地山との境界面や盛土内部を滑り面とする盛土の地滑り的変動(滑動崩落)が生じ、造成宅地における崖崩
れ 又は土砂の流出による被害が発生しました。東日本大震災で滑動崩落の被害を受けた宅地の多くは 1970 年代以前に造成さ
れており、宅地造成等規制法等の改正により技術基準を強化した 2006 年以降に造成された宅地においては被害が発生していな
いことを踏まえ、既存の造成宅地について大規模盛土造成地の有無とそれらの安全性の確認(変動予測調査)
、危険性が高い箇
所の滑動崩落防止工事などの予防対策を早急に進める必要があります。

10
大雨によって、地震では崩落しなかった急傾斜地が崩壊して住宅や人的被害が発する事態は、平成 28 年熊本地震でも発生
している。その際の死者5人は震災関連死として措置された。

5-10

11

平成 16 年新潟県中越地震では、地震発生の2日前に台風による大雨が降っていた。多量の土砂崩壊によって道路が崩落す
るとともに、芋川では大規模な河道閉塞により、天然ダムが発生し、山古志村(現長岡市)の木籠集落は、集落の約半数が
水没し、高台に移転した。

5-11