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首都直下地震等による東京の被害想定 報告書一式 (313 ページ)

公開元URL https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html
出典情報 首都直下地震等による東京の被害想定(5/25)《東京都》
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5.6 保健衛生・防疫・遺体処理等
5.6.1 保健衛生・防疫
地震発生直後~数日後

1週間後以降

○ 多数の避難者が避難所に避難することで、避難所の衛生環境が悪化し、体調を崩す避難者が発生す

○ 避難所に避難する被災者だけではなく、自宅に留まっていた被災者も避難生活の長期化に伴い、生

る。

活不活発や避難生活上のストレスにより、体調を崩したり、悪化させる避難者が増加する。





断水のため、手洗い・うがい等が不十分となり、インフルエンザや新型コロナウイルス等の感
染症や、ノロウイルス等の食中毒が発生する。



さらに心身機能が低下し、体調が一層悪化する場合がある。

避難所では、多数の避難者が床に座って生活するため、避難者が通路を移動することによって



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舞い上がるほこりにより、気管支炎等を発症する者が現れる 。


入浴や洗顔が制限され、心身にストレスがかかり、皮膚の弱い人や乳幼児等は皮膚に異常を発

テントや車中泊等の野外生活者が、衛生環境が整っていないために体調を崩したり、エコノミ
ークラス症候群を発症する。



症する可能性がある。

一部損壊でも、屋根の修理等の遅れにより、雨漏りによって室内環境が悪化し、体調を崩す可
能性がある。

○ 医師や看護師等の医療従事者は負傷者の対応に追われるため、避難者や自宅に留まる被災者の体調
が悪くなっても、十分な対応ができない可能性がある。
○ 避難者や自宅に留まる被災者が、停電により冷暖房が利用できず、熱中症や脱水症状になったり、
寒さから風邪をひく等、体調を崩す可能性がある。
○ 上下水道の機能支障や、停電等による各世帯・建物のトイレ機能の停止により、仮設トイレの需要
が増大するが、早期の設営は困難となる。


高齢者等が、生活不活発となることで、筋力の低下や関節等の痛みを発症する。それによって

○ 断水や停電が継続している地域では、トイレ機能が喪失したままとなるため、避難所や公共の場所
(公園や公共施設の敷地等)に仮設トイレが大量に設置される。


タワーマンションが立地する等、人口が多い地域においては、地域内の避難所等に設置された
仮設トイレの使用人数も膨大となるため、汲み取り等の処理の必要回数が多くなり、し尿処理
に係るバキュームカーや職員が不足する。

○ 復旧作業員やボランティアが、倒壊現場での片付け等の作業の際、釘を踏み抜く等によりけがをす

上水道が機能していて、各世帯・建物のトイレで水が供給されている場合でも、下水道の管路

るケースが増加し、適切な治療が行われないと、破傷風を発症する等、症状が悪化する可能性があ

被害や建物の所有者や管理会社による排水管等の修理が終了していない場合等で、水洗トイレ

る。

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の使用が困難となる 。


マンション等の集合住宅において、家庭内備蓄をしていた携帯トイレが枯渇したり、トイレが
使用できない期間が長期化した場合、自宅に留まることができなくなり、大量の被災者が、周
辺の避難所に避難する可能性がある。



避難所等の仮設トイレに被災者が殺到する中、その管理等が適切に行われない場合、避難所や
仮設トイレの衛生環境が急速に悪化する可能性がある。特に夏季においては感染症の発生につ
ながる可能性がある。



くみ取り式の仮設トイレでは、貯留槽がすぐに満杯になるが、処理作業を行うバキュームカー
は台数が不足するほか、道路渋滞等で都外からの応援及び巡回が困難となり、使用できなくな
る80。

○ 燃料が枯渇した場合、非常用電源で機能を維持していたトイレが機能を停止し、使用困難となる水
洗トイレの数が増加する。
○ ごみ処理の再開が遅れた場合、使用済みの携帯トイレ、し尿やおむつ等が不法投棄される可能性が
ある。

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内閣府「避難所運営ガイドライン」では、床に長期的に寝続けることで、エコノミークラス症候群を引き起こすだけでな
く、ほこり等を吸い込むことによる健康被害も心配されるとしている。
東京都下水道局では、震災時のトイレ利用について、
「下水道の使用制限が実施されている地域においては、トイレの使用
を控える」ことをホームページ上でお願いしている。使用制限がない場合でも、
「配管などが破損していると下水が詰まっ
て汚水が逆流したり、破損したところから噴出する」
「集合住宅の場合は、下の階へ汚水が逆流する」ことが注意喚起され
ている。
マンホールトイレなど汲み取りが不要なトイレもある。

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