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令和6年版 男女共同参画白書 (100 ページ)

公開元URL https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdfban.html
出典情報 令和6年版 男女共同参画白書(6/14)《内閣府》
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両立支援は新たなステー
第3節
ジへ
女性の就業者数は令和 5(2023)年時点で

としても、夫が長時間労働で帰宅が遅い等の
様々な事情から、家事・育児等の多くを妻が
一人で負担せざるを得ず、復帰をためらう状
況は今なお存在している。

3,051 万人と、10 年前に比べて 344 万人増加

また、現在までに仕事と育児に関する両立

している 。第1節で確認したとおり、正規雇

支援制度は様々に拡充されてきており、それ

用比率も、近年、全体的に上昇してきており、

らの支援制度の活用により、小学校入学まで

正規雇用労働者として就業を継続する女性が

の期間は乗り越えられたとしても、小学校入

増えてきている。また、若い世代の意識は変

学と同時に子供を預けられる時間が短くなっ

化しており、若い年代の女性ほど、就業継続

たり、利用できる両立支援制度が少なくなっ

意欲、昇進意欲、管理職になることへの意欲

たりして、仕事と育児の両立が難しくなる、

が高く、若い年代の男性ほど、家事・育児等

いわゆる「小1の壁」等もあると指摘されて

30

への参画意欲が高くなってきている



31,32

いる 。
33

これらの変化については、仕事と家事・育

一方で、男性が家事・育児等に参画したい

児等の両立支援策など、これまでの男女共同

と考えたとしても、長時間労働や仕事への責

参画推進に関する諸施策の成果等が表れてき

任感、同僚や上司の理解や支援を得られない

ているものではないかと考えられる。男女と

こと等から、家事・育児等への参画を諦めて

もに、希望に応じて、家事・育児等を担いつつ、

「男女とも仕事
いる可能性もある 。今後は、

これらと仕事やキャリア形成との両立が可能

と子育てを両立できる職場」を目指す必要が

になるようにしていくことが重要な課題であ

ある。

34

り、現在の若い年代の男女がより上の年代に

また、男女を問わず仕事と育児の両立支援

なったときにも、これらの意識を持ち続けら

制度を活用する者のサポートを行う企業や、

れるように後押しする必要がある。

周囲の同僚に対する支援も重要である。両立

現状では、女性の正規雇用比率は上昇して

支援制度の拡充により、当該制度を活用して

いるものの、依然として25~29 歳をピークと

いる者と周囲の同僚との間に、不公平感が発

し、年代が上がるとともに低下するL字カー

生・拡大すると、仕事と育児の両立に関して

ブを描いており、この時期に働き方を変えた

周囲の同僚からの理解や支援を得ることが更

り、キャリアを中断・断念していたりする状

に難しくなり、育児と両立させようとしてい

況が残っていることがうかがえる。

る本人のキャリア継続やキャリアアップを阻

妻に就業継続意欲があり、育児休業制度

害し、ひいては「働きながら子供を産み育て

等を利用した後に、職場復帰を予定していた

る」という選択を諦めざるを得なくなる可能

30 総務省「労働力調査(基本集計)

31 若い世代における意識の変化については、「令和5年版男女共同参画白書 特集-新たな生活様式・働き方を全ての人の活躍に
つなげるために~職業観・家庭観が大きく変化する中、「令和モデル」の実現に向けて~」で分析している。
32 一方で、仕事にまい進していた男性が、家事・育児等に参画することによって感じる焦燥感、取り残された感、社会との隔絶感
等のストレスにも留意が必要である。
33 こども家庭庁と文部科学省では、次代を担う人材を育成し、加えて共働き家庭等が直面する「小1の壁」を打破する観点から、
放課後児童クラブの待機児童の早期解消、放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的な実施の推進等による全ての児童の安
全・安心な居場所の確保を図ること等を内容とした、
「新・放課後子ども総合プラン」(平成 30(2018)年9月策定)等に基づき、
放課後児童対策を推し進めてきたが、令和5(2023)年5月時点で、利用できなかった児童(待機児童)が約 1.6 万人存在して
いる(こども家庭庁「令和 5 年放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況(令和 5 年 5 月 1 日現在)」)。
「男性による育児・
34 男性が育児や介護、家事、地域活動に積極的に参加するために必要なことについて、男性では若い年代ほど、
家事などについて、職場における上司や周囲の理解を進めること」、「労働時間の短縮や休暇制度、テレワークなどのICTを利
用した多様な働き方を普及することで、仕事以外の時間をより多く持てるようにすること」を挙げる者の割合が高い(内閣府「男
女共同参画社会に関する世論調査」
(令和4(2022)年 11 月調査))。

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令和5年度男女共同参画社会の形成の状況