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令和6年版 男女共同参画白書 (19 ページ)

公開元URL https://www.gender.go.jp/about_danjo/whitepaper/r06/zentai/pdfban.html
出典情報 令和6年版 男女共同参画白書(6/14)《内閣府》
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特集

仕事と健康の両立
~全ての人が希望に応じて活躍できる社会の実現に向けて~

社会全体で女性活躍の機運を醸成し、多様性を確保していくことは、男女ともに自らの個性と
能力を最大限に発揮できる社会の実現のために不可欠である。昨今の男女を取り巻く状況の変化

特集

を的確に捉え、女性活躍・男女共同参画の実現に向けた取組を一層推進していく必要がある。
我が国では、令和4(2022)年時点で、平均寿命は女性 87.09 歳、男性 81.05 歳、死亡最頻
値は女性 93 歳、男性 88 歳 と、まさに人生 100 年時代を迎えている。健康寿命 も年々延伸し、
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仕事と健康の両立~全ての人が希望に応じて活躍できる社会の実現に向けて~

令和元(2019)年時点で、女性 75.38 歳、男性 72.68 歳となっているが、平均寿命との差でみ
ると、健康ではない期間が、女性は約 12 年、男性は約9年存在する 。
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他方、団塊の世代 が現役で、家庭のことは妻に任せ、夫は長時間働いていた、いわゆる「昭和
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モデル」の社会と比べ、現在は、生産年齢人口が減少し、高齢化が進展するとともに、家族の姿
も変化し、人生は多様化するなど、社会が大きく変化している。昭和 60(1985)年には全世帯
の4割を占めていた「夫婦と子供の世帯」は、令和2(2020)年時点では 25%となり、
「単独(単
身)世帯」と「ひとり親と子供の世帯」が約半数を占めるようになった。また、令和5(2023)
年時点で、共働き世帯数は専業主婦世帯数の3倍となっている。未婚女性の理想も、未婚男性の
将来のパートナーに対する期待も、家庭と仕事の両立を望む人の割合が上昇するなど、若い世代
の理想とする生き方、働き方は変わってきている 。
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令和5年版男女共同参画白書では、このように職業観・家庭観が変化する中において、「男性は
仕事」「女性は家庭」の「昭和モデル」から、全ての人が希望に応じて、家庭でも仕事でも活躍で
きる社会、
「令和モデル」に切り替えるときであると指摘した。男女ともに、一人一人が希望に応
じて、自らの個性と能力を最大限に発揮し、持続的に活躍していくためには、まずは健康である
こと、健康課題と上手に付き合っていくことが必要であろう。言い換えれば、
「健康」は、この「令
和モデル」の実現に向けた基盤となる。
平均寿命が延伸した今日、生涯を健康に過ごすことは理想であるが、男女が直面する健康上の
課題は異なっている。特に女性の場合、生涯を通じて、月ごと、年齢ごと、ライフステージごとに、
女性ホルモンの急激な変化などにより、その心身に男性に比べて大きな変化が起きており、変化
に伴う不調を抱えながら、日常生活を送っていることが多い。
働く女性は、キャリア形成において重要な時期である 20 代から 40 代前半にかけては妊娠・出
産・子育て等の時期を迎え、仕事で責任を負う立場になる 40 代後半から 50 代にかけて更年期を
迎える。しかし、女性の就業者数が増加し、女性の登用拡大を目指しているにもかかわらず、労
働環境及び職場における健康支援について、依然として労働者が男性中心であった時代のままと
なっている場合、女性のキャリア継続の障壁の1つとなっている可能性がある。
また、自身の健康のみならず、家族等周囲の身近な人々の健康にも目を向ける必要がある。前
述のとおり、平均寿命は、男性と比べ女性の方が長いが、70 代以上の認知症の患者数も女性の方
1 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概況」
2 健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」をいう(厚生労働省「国民の健康の増進の総
合的な推進を図るための基本的な方針」令和5(2023)年5月改正)。
3 令和元(2019)年時点での我が国の平均寿命は女性 87.45 歳、男性 81.41 歳(厚生労働省「令和元年簡易生命表の概況」
)。
4 団塊の世代とは、昭和 22(1947)年から昭和 24(1949)年生まれの世代のことをいう(内閣府「平成 27 年版少子化社会対策
白書」)。
5 若い世代における意識の変化については、「令和5年版男女共同参画白書 特集-新たな生活様式・働き方を全ての人の活躍に
つなげるために~職業観・家庭観が大きく変化する中、「令和モデル」の実現に向けて~」で分析している。

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